終了した展覧会・イベントです

坂脇慶 「変化していく瞬間と総体」

Cale
終了しました

アーティスト

坂脇慶
坂脇はグラフィックデザイナーとして協業者と共にマルチプルな媒体の作品、プロジェクトを世の中に提案してきました。媒体は様々ですが、それらはクライアントからの要望に沿ってアイディアを提案し、実行可能な選択肢を採用して進行されていきます。時に、坂脇自身の美的感覚やムードとは少しズレた角度で進行し発表される事もあります。
この度発表される自身の作品にクライアントの意向や何かを啓蒙しなければならない対象は無く、「グラフィック」とされるイメージがプリントされています。このイメージはどの様に形容されるべきですかという問いに対して坂脇は「グラフィックデザイン」と答え、フレームに入れて物体になった状態のものを何と表しますかと続けて尋ねたところ「グラフィックデザインをポスター化してフレームに入れたものと呼ぶのが最も近い」と語りました。
先ず、この作品はPhotoshop上にドロップした色の素材をフィルターを用いて変容させ続けているものです。坂脇自身が瞬間を決定して一枚のフレーム(コマ)をイメージとして固定するというプロセスを採用しています。つまりこれらは時間の帯とも捉えることができるのです。(フレームレートを設定すれば動画として出現させる事も可能であるということになります。)時間を内包するイメージの連続はエントロピーの増大を連想させ、コンピュータ上にあるデータを物質と捉える感性の誕生を迎えつつある現代において有用なアプローチであり、時間感覚という曖昧な自覚をイメージで捉えるための修練の様にも見えます。
本人があくまでも「グラフィックデザイン」と言い切ることには、ランダムで乱雑な事象を発生させようとしている節を感じとります。乱雑さのないところに新たなものは生じないという態度です。さらに、グラフィックデザインという習得プロセスによって選択肢が生み出され、そこに美的を(あるいは強固さのようなものを)基準とした自然選択を働かせているのだと感じるのです。
坂脇の作品とそれらへの態度は、確率的過程において、意匠をこらすという適応を選ばず、ランダムな要素の発生を待ちます。イメージがトートロジカルに向かって収まっていく傾きを見つめるようにです。

スケジュール

2023年6月16日(金)〜2023年7月7日(金)

開館情報

時間
13:0019:00
入場料無料
会場Cale
http://www.cale.jp
住所〒106-0044 東京都港区東麻布3-4-6 1F
アクセス都営大江戸線・東京メトロ南北線麻布十番駅6番出口より徒歩3分
電話番号03-6441-3661
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

0件の投稿

すべて表示

まだコメントはありません