NEORT++(ネオルトツー)アーティスト
ケヴィン・アボッシュ、リヒャルト・プロイガー
本展は、作家自身が撮影したロサンゼルスとベルリンの写真を学習データの一部としたモデルから生成された、合成映像の静止画によって構成されます。イメージと現実のあいだに開く裂け目から、「真実」と「価値」がイメージに与えられる過程を問う展覧会です。
写真は、これまで一度でも真実の記録であっただろうか。世界そのものではないのに、世界のように見える。私たちは、その似姿を証拠と取り違える。《NEW TRUTH》は、イメージと現実(リアル)のあいだ、まさにそこに開く裂け目から始まる。作品は、合成された映像から抜き出された静止画だ。それらを生成したモデルは、作家自身が撮影したロサンゼルスとベルリンの写真を、学習データの一部としている。だからそこに立ち現れるものは、かつてこの二つの都市を実際に記録したアーカイブから幻視(ハルシネート)されたものだ。見おぼえがあるのに、どこにも見あたらない、混成的な場所。一度も起こらなかった、本物の真実。どれも、たった一つの手が選んだものではない。アボッシュとプロイガーは、たがいの手もとを見ることなく、相手が何を選んでいるかを知らないまま、それぞれに作業した。そして、二人がそれぞれにたどり着いた画像、ひとことも交わさぬまま一致した画像だけが、残された。ここにあるものは、世界に照らして確かめられてはいない。もう一人の人間に照らして確かめられたのだ。対応ではなく、収束による真実。画像は、Hi8のやわらかく低解像度の粒子をまとう。Hi8とは、カムコーダーが「真実」の記録を初めて市井の人々の手にゆだねた時代の規格である。いま、高精細(ハイディフィニション)はあらゆるものを美しく見せ、そこで生み出される最も説得力のある映像は、たいてい最も合成的なものだ。この粗い表面は、その逆をおこなう。それが作られたものであることを、見る者に示すのだ。《NEW TRUTH》は、真実と価値を、イメージのうちに見出されるものではなく、イメージに与えられるものとして扱う。作家たちは、一致することで、それを一度与えた。作品の前に立つ者は、それをもう一度与える。合成された記憶で満ちてゆく文化のなかで、この展覧会が求めるのは、注意を向けること、そして、少しの遅さだ。自分が何を信じる用意があるのかを、自分の手で決めるための、わずかな遅さ。
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