清須市はるひ美術館当館では1999年の開館から2021年まで絵画の公募展を継続し、その時代ごとに表れる絵画表現の変遷を映し出してきました。また、新たな才能の発掘と育成を目指し、公募展の受賞者・入選者による展覧会「アーティストシリーズ」を並行しておこなってきました。当館の特色として広く認識されてきたこれらの取り組みは、一過性のコンペティションの枠組みを超え、新進作家たちの挑戦の場としての役割も果たしてきたと言えます。「アーティストシリーズ+」では、これまでの取り組みを継承しつつ、当公募展で入選、佳作となった方々でその後も継続して活動をおこなっているアーティストをグループ展形式で取り上げます。
本展では、制作の中でおこなわれる観察に注目し三名のアーティストの作品をご紹介します。清水彩瑛は、見ているものの状況と触れた時の手ざわりに反応しながら、性質の異なる素材を用いた絵画とコラージュドローイングを展開します。土屋裕央は、生と死、時間、宇宙空間といった事象について思索し、同じ図の反復や、線と点、色面に置き直すことでイメージへと転換します。平松絵美は、生物や植物、本、置物などが寄せ集められた状況を細やかに描写し、画面の中で取り留めのないものたちが均しく共存する世界をつくりあげます。三者の作品はテーマも表現手法も異なりますが、制作において自身の思考や感覚、あるいはものの状態への注意深い観察が窺えます。彼らの作品から見出される視点は、ものごとの捉え方とその差異のあり方について示唆を与えてくれるものとなるでしょう。観察から生まれる三者の作品と、それぞれの視座が響き合う展示空間をぜひじっくりとご覧ください。
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