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安藤湖春 「耳と髪の間をぬける風」

同時代ギャラリー
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アーティスト

安藤湖春
安藤湖春は、日常の出来事をもとに言葉と造形物による制作を主に行う。言葉と造形物は相互補完的な関係に位置づけられており、双方の特性を行き来し構築する過程の中から心象風景を立ち上げる。言葉は短歌の形式を借用し、造形物は絵画と立体物の形式をとる。活用する素材は、紙、布、樹脂、膠、水彩、岩絵具などがあり、イメージの広がりに呼応しながら断片を貼り合わせて構成していく。素材や線が図になることや、図に映るものが線や素材に帰化する視覚効果に関心を抱いており、そうした絵画空間と立体物における造形思考は、音としての言葉、意味としての言葉と互いに影響を及ぼし合っている。

言葉と造形物による制作の先行事例に、アンドレ・ブルトンの視覚詩やポエム・オブジェを挙げることができる。文字を配置やイメージにより視覚化する視覚詩や、手書き文字を活用しながら特定の宛先に向けて作られた造形物のポエム・オブジェは、いずれも言葉と造形物が一体であるか同一のオブジェクト上に位置づけられ表現されてきた。しかしながら、安藤のそれは造形物とは別に言葉が持ち帰り可能のフリーペーパーに印刷、またはカッティングシートなどで壁面に貼り付けられ互いに離別したオブジェクト上に存在している。

造形物を見ると言葉を求め、言葉を見ると造形物を求める。どちらかが欠乏するともう片方を強く希求するそれは月と潮の満ち引きの関係性に似ている。本展覧会は、そうした安藤の言葉と造形物、絵画と立体物、線と図、音と意味など、事物の満ち引きを繰り返しながら目の前に浮かび上がるあわいの風景を探索するものになるだろう。それは今ここで風を感じながらも、どこか遠い記憶を見るものである。

スケジュール

2025年7月1日(火)〜2025年7月6日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
月曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.dohjidai.com/gallery/exhibition/b20250701/
会場同時代ギャラリー
https://www.dohjidai.com/gallery/
住所〒604-8082 京都府京都市中京区弁慶石町56 1928ビル2F
アクセス地下鉄東西線京都市役所前駅8番出口より徒歩4分、京阪線三条駅6番出口より徒歩6分
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