京都府京都文化博物館京都市右京区に所在する陽明文庫は、朝廷の最高官職である摂政・関白を務めた藤原氏五摂家の一つ、近衞家の御蔵を継承した機関で、平安時代以来の歴史資料の一大宝庫です。
陽明文庫は、数多くの国宝や重要文化財を所蔵しており、なかでも、平安時代に栄華を極めた藤原道長の日記、国宝『御堂関白記』は、平安時代の政治や文化を今に伝えるものとして、並ぶもののない価値を有します。また、道長が活躍したまさにその時代、紫式部は『源氏物語』を著しますが、陽明文庫には、『源氏物語』[別本]系統の代表的な写本である重要文化財『源氏物語』(通称、陽明文庫本)をはじめ、複数の優美な写本が所蔵されています。
今回の陽明文庫の名宝展では、藤原道長と紫式部が生きた時代の遺品である国宝『御堂関白記』より、藤原道長による自筆本のみ4巻を、14回を数える本展の歴史のなかで初めて、一挙に紹介します。あわせて、鎌倉時代に書写された重要文化財『源氏物語』のほか、室町時代と江戸時代の写本を展観し、各時代の源氏物語受容の歴史をたどります。さらに、王朝時代の余韻を残す『宇治拾遺物語』に取材し、絵は狩野探幽・尚信・安信兄弟の合作、詞書は近衞家凞の手になる『宇治拾遺物語絵巻』4巻を展示し、三兄弟の絶妙な画風の違いをご覧に入れます。
本展が、平安時代より続く悠久の歴史を持つ、陽明文庫の魅力に触れていただく機会となれば幸いです。
前期展示: 9月28日(土)~10月27日(日)
後期展示: 10月29日(火)~11月24日(日)
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