Lottaは、独学で培った技術と自らの中に眠る物語世界を原動力に、静謐でありながら多弁な奥行きのある絵画を生み出してきた。代表的なキャラクター、幽霊の黒猫「ソックス」は、観る人の記憶や夢や感情の奥深くに寄り添いそっと触れるような力を持っている。 モノクロームの「ソックス」を描くLottaの作品は、「ソックス」の周りの世界観の中に加えられた色彩が少しずつ存在感を増し、夢と現実の狭間に新たな光と温度を宿している。 本展「Welcome to my Dream」では、そうした光と温度の表現の変化が物語性を持ち、より鮮やかに感じられるのではないだろうか? Lottaの絵は、単に眺めるだけのものではなく、鑑賞者それぞれが心の奥に秘めた「もうひとつの物語」を思い出すための入口なのだ。それは幼いころに見た夢、忘れかけた感情、誰にも語らなかった夜の記憶。 モノクロームと色彩が交わるその世界は、以前より明確にあなた自身の物語を心に描いてくれるに違いない。
HAZIME