東京国立近代美術館・プレイバック「抽象と幻想」展(1953-1954)
今回のMOMATコレクション展では、初期の重要な展覧会である「抽象と幻想 非写実絵画をどう理解するか」展(1953年12月1日~1954年1月20日)を振り返ります。「抽象」と「シュルレアリスム(幻想)」というモダンアートの二大潮流をめぐって構成された展覧会とは、果たしてどのような内容だったのでしょうか。7室では、残された資料や記録を元に制作した再現VRを投影します。8室では、「抽象と幻想」展の出品作品を中心に50年代の作品を展示しています。
・「解体と再構築」
第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけての時期は、既成の概念や枠組みを超えようとする新しい表現が次々に生まれた時代です。たとえば、対象を断片化・変形して抽象化を進めたり、新聞紙や壁紙など、もとは別の機能を持っていた素材の断片を画面に取り込んだりして、イメージの解体と再構築を試みるような作品が多く現れます。一方で、そういった前衛的な表現と正反対にも見える、素朴さや原始性への憧れ、あるいは古典古代の再発見など、根源性や普遍性への関心が高まったのもこの時期の興味深い特徴といえるでしょう。こうした模索の背景には、大戦によって世界が受けた傷の深さや、次なる戦争への不安の高まりといったものがうかがえます。
・「80年代のニューフェースたち」
企画展ギャラリーで開催する「大竹伸朗展」(11月1日~2月5日)にあわせて、大竹が注目を集めるようになった1980年代の日本にスポットを当てます。この時代には、「ニュー・アカデミズム」「ニュー・ミュージック」「ニュー・ペインティング」といった言葉に象徴されるように、新しい価値に支えられた現象が次々と生まれました。広告文化や雑誌文化が花開き、現代思想がもてはやされ、サブカルチャーが興隆。美術の世界では、大衆文化のイメージを取り込んだ作品や、空間に作品を展開するインスタレーションなど、新しい表現が次々と試みられるようになりました。ここでは、当館のコレクションから、大竹と同様、80年代に若くして活躍するようになった作家たちの作品をご紹介します。
まだコメントはありません