黒坂麻衣「My little Creatures」

GALLERY YUKI-SIS

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アーティスト

黒坂麻衣

YUKI-SIS では、2025年7月5日（土）－19日（土）黒坂麻衣個展、「My Little Creatures」を開催いたします。
この展覧会は、2019年5月に逝去された作家、黒坂麻衣さんの遺作展です。この5月で7回忌をむかえました。本展では、未発表の油彩作品なども含む非常に珍しい作品も展示されます。

1986年青森生まれの黒坂麻衣は、2008年多摩美術大学絵画科油画専攻を卒業。2019年5月に逝去。YUKI-SISでは今回で8回目の個展となります。膨大な数残された黒坂さんの作品ですが、今回の展覧会タイトルを「My Little Creatures」とし、彼女が好んで描いていた馬や鹿、静物を中心とした作品を展示いたします。

今回新たにご紹介するのは、同時期に描かれたと思われる油彩作品群です。いずれもイラストレーションボードに描かれており、そのうちの数枚の裏面には、彼女自身が貼ったと思われる「装画を描くコンペティション応募票」が残されています。そこには、フランスの作家マルグリット・デュラスの小説『愛人ラマン』をテーマに出品されたことが記されています。
残念ながら、これらの作品は長年透明フィルムで包まれていたため、内側まで乾いていなかった油彩がフィルムに付着し、画面に剥落や擦れといったダメージが生じています。しかしそれらのダメージをものともしないように、作品からは主人公が纏う本質的な美しさと、重厚な存在感が力強く伝わってきます。
このコンペティションが開催された時期は不明ですが、この頃から彼女は「角の生えた少年や少女」を描き始めたのではないかと推測されます。

黒坂さんが遺した作品を眺めていると、彼女が愛した映画、音楽、詩、ファッション、花や果物の静物、そして森に生きる動物たちが、彼女の表現の中に静かに息づいているのを感じます。これらは、彼女の創作の源だったのではないかと感じさせられます。写真をもとに描かれた作品もありますが、彼女の頭の中で紡がれた想像から生まれた作品には、そのイメージと世界がより鮮明に込められています。その乳白色の世界は、どこかひんやりとしながらも、私たちの心にそっと触れてくるのです。

彼女は、気に入った作品ができると、自室の壁に画鋲で留めて飾り、じっと眺めていたといいます。今回の展示では、そんな「画鋲穴」の残る作品も数点ご紹介いたします。彼女が描いた“小さな生きものたち”──「Little Creatures」に会いにいらしてください。

スケジュール

2025年7月5日(土)〜2025年7月19日(土)