s+arts大原舞は、日常にある景色や植物などをモチーフに、身近にあるものを用いてペインティングや立体、シルクスクリーン版画や刺繍など、様々な技法で作品を制作している作家です。日々出会う景色のカケラを繋ぐようにして、大原にとっての「特別」を表現しているという作品はどれも、彼女が醸し出す独特の雰囲気が一貫されており、技法や形態等のジャンルを超えて観る者を魅了します。東京を拠点に、自身の作品展示の他、百貨店やアパレルブランドとのコラボレーション等、積極的に制作を続けています。近年では、ドキュメンタリー映画への出演や、自身のサイクリストユニット「GHOOOST」の活動で国内外イベントに招待されるなど、様々な分野から注目が高まっています。
大原が一貫して制作の対象としているのは、毎日の暮らしの中で自転車に乗ったり散歩をしたりながら街を探索する中で出会う植物です。路地裏や高架下、空き地などで人の手が加えられずに勝手に生えてきているものや、軒下や庭先で長い間放置されて今にも枯れてしまいそうに見えるものなど、人々の生活と生活のふとした合間で懸命に生きているような植物たちをモデルに、日々自身の特別を表現しています。街の片隅で逞しく生きる植物たちのいる景色は、大原にとって大変魅力的で、そこから生命のエネルギーを感じると彼女は話します。
「記憶の中にある大好きな景色道端の雑草 フェンス 空き地 枯れた植木鉢とても小さくステキなものそんなものたちのレプリカです」--- 大原舞
タイトルに“複製”や“写し”などの意味合いを持つ本展「REPLICA」 では、大原らしい解釈と表現で、彼女が出会った愛おしい景色のレプリカを発表いたします。 また、花瓶から植物が生えているような立体作品や自身の分身としてのキャラクターとして知られる「ナタリー」、そして壁掛けの平面作品と、たとえコンセプトが同じでも、それぞれが異なる特徴を持つ点に着目し、今回はそれらを融合させるという新たな表現にも挑戦いたしました。
どことなく曖昧で、可愛らしくもパンキッシュな印象を持つ大原の作品は、豊かな色彩と独自のタッチで描かれ、不思議な世界を持ちながらもポジティブな印象で観る者を惹きつけます。また、ファブリックで作られる彼女の立体作品は、細かな刺繍が施されていたり、布の柄のように絵が描かれていたり、染められていたりします。平面作品にも、一見描かれているように見受けられるモチーフが、実はレリーフのように浮き彫りにされていたり、一枚のパネルを掘ることでフレームのように見えていたりと、作品の至る所に彼女の手が加わり、様々な手法のこだわりが散りばめられています。
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