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渡邉洵 「原発と呼吸」

TAV GALLERY
終了しました

アーティスト

渡邉洵
先日まさに、震災後初、福井・美浜原発の原発新設の方針が発表されたさなか、この動向への応答として、福島出身のアーティスト・渡邉洵による個展「原発と呼吸」を開催いたします。

本展は、かつて出稼ぎのために原発から原発を渡り歩く原発労働者をテーマとして、自転車を漕ぐと同時に、酒ビンに息を吹きつづけるという、渡邉が2017年に初演をおこない、その後、2020年に再演をおこなったパフォーマンス《原発ジプシー》を映像作品として制作することを提案したところ、渡邉から承諾と共に、このパフォーマンスに対して、2025年今現在の気持ちを反映させた新作を共に発表したいという旨を受け、本展では《原発ジプシー》(Video Documentation of Performance)のみならず、渡邉が2025年7月に福井・美浜原発への訪問をおこない制作した2つの新作および、渡邉の3.11当日の出来事をモチーフとした《あの日の記憶から》(2016-2017)の計4つの映像作品を発表いたします。以下は、渡辺が本展に際して寄せたテキストとなります。

「今回の展示では、「自転車を限界まで漕ぎながら酒ビンを笛のように鳴らす」という8年前のパフォーマンスをリバイバルする。映画『生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ党宣言』のワンシーン、あるバーで「ボー」という音が鳴る。「ジプシーの迷信や」とバーのママは言う。「放射能の毒あんまり吸ってないときは、ビール瓶の鳴りがええんやて」原発労働者は「どうや、鳴りは」「まあまあや」とビール瓶を笛のように吹き、その音を確認する。その呼吸を見て、僕は3.11の時に電気が止まり、酸欠の金魚をバケツに移してストローで酸素を吹き入れ続けたことを思い出した。原発を作品のテーマにするとき、いつも見えない他者の視線を感じる。「お前は何を知っているんだ?」原発作業員の過酷な労働状況を、過去のルポや映像、映画以上に知ることはできない。僕にできることは、自転車を漕ぐことくらいだ。とりあえず映画の舞台になった美浜原発へ行ってみることにした。途中に静岡を通るので、浜岡原発にも行ってみよう。漫画喫茶で寝泊まりする。僕の呼吸1000km分、自転車を漕ぎながら、空いた酒ビンに息を吹き入れる。瓶の口は次第に僕の呼吸のみではなく、自転車の受ける風をも拾っていった。僕はその音が音楽になることを想像する。そしてその音楽を聴いてみたい。」

また、今回の展示にあたって、震災10年となる、2021年に渡邉に「「透明なものに近づくには、自分も透明にならなきゃいけない」。福島出身のアーティスト・渡邉洵が追いかける3.11への実感」(美術手帖)と題したインタビューをおこなうなど、渡邉の活動を初期から知る、アーティスト・布施琳太郎に、渡邉の作品がいかなる価値を持つか、批評文を寄稿いただきました。是非とも、ご一読下さい。

スケジュール

2025年8月22日(金)〜2025年8月31日(日)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日、木曜日

オープニングパーティー 2025年8月22日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://tavgallery.com/watanabe_makoto/
会場TAV GALLERY
http://tavgallery.com/
住所〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F
アクセス東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩9分、東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5番出口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1a出口より徒歩11分
電話番号080-1231-1112
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