ユミコチバアソシエイツこのたび、ユミコチバアソシエイツでは、日本の抽象彫刻という概念の成立に寄与し、近代と現代の彫刻史をつなぐ重要な作家である堀内正和(1911-2001)の個展をいたします。
1920年代から彫刻家として発表を始め、終戦後は、芸術を精神に直接働きかける道具としたアール・コンクレ(具体美術)を手掛かりに一貫して抽象の道を歩み、形の原理を見つめるなかで幾何の形態学を追求しました。堀内はアトリエのない彫刻家として知られ、形を試行錯誤するマケットの制作こそ自らの芸術だと公言しました。根幹にあったのは、戦時下に深めた抽象美術と言語学に依拠する、芸術とは物ではなく意識の作用であるという理念です。美という観念を揺るぎない実在にしようとする彫刻のパラドクス――堀内はこの逆説を引き寄せ、文学や哲学を読みこんだ形の知的遊戯のなかに彫刻の在処を見出しました。その思索の軌跡は、戦後日本美術史に独自の地歩を築いています。 本展では堀内の制作過程や思考を窺える資料を交え、40年代の具象彫刻から抽象を追求し始めた50年代、幾何学形体に依拠し透明な思考の実態化を追求した70年代から90年代の彫刻とデッサンを紹介します。
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