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[画像: 吉竹昌子「首を長くした男」/2023年 180㎜×140㎜ 雲肌麻紙、膠、岩絵の具]

吉竹昌子 「まちあわせ」

blue dress SHIBUYA(GALLERY KTO substitute)
終了しました

アーティスト

吉竹昌子
現在、bluesdress 渋谷では、「シェル美術賞展2018」に入選した気鋭のアーティスト・吉竹昌子の個展「まちあわせ」が開催されている。
bluesdress渋谷の個展で吉竹は、紙(雪肌麻紙)を支持体に据え、岩絵具や箔を用いて、独自の世界を表現する。そこでは、色彩の鮮やかさと人間への深い眼差しが両立しているのだ。

例えば「女の子」シリーズでは、画面中央にやや小さく女の子が描かれ、その背景には赤や緑そして青などの単色が用いられている。さまざなカラーの明るい色面が特徴的な作品だ。とはいえ、中央の女の子は明るく弾けているというよりも、からだを捻りながら俯いているようだ。表情こそわからないものの、彼女のポーズや岩絵具の滲みが相まって、絵に引き込まれていく。この少女はいったい何をしているのか?

さて、大作《まちあわせ》でも、吉竹固有の色彩感覚は、細く大胆な線と拮抗しながら十全に発揮されている。そしてこの絵画でもやはり、人間の奥行きが感じ取られる。丸みと重みをもった各人物の手が何とも言えない魅力を放っている。

《まちあわせ》の舞台はカフェ。人がたくさんいて、休日の午後を思わせる。窓ごしに街を行き交う者たちが確認される。季節は夏頃だろう。
画面右側には、テーブルに肘をつき、思いを巡らせているような人物がいる。強い日差しか、もしくはライトに照らされて、その周りは強烈な黄色で満たされている。反省的な人物像と色彩の鮮烈さの対比が味わい深い。

ここで《まちあわせ》の画面右上、すなわち先ほどの人物の上部に目をやると、すでに見た「女の子」がいることに気がつく。洋服や姿が瓜二つだ。ここから、「女の子」シリーズは、犬に驚く少女を描いていたのだと気づく。人間のハッとした一瞬の姿勢が、とても説得的に表されている。吉竹の人間観察力が発揮されているといえるだろう。
ここまで、人間を見つめた色鮮やかな吉竹作品を見てきた。情感溢れる見応え十分な絵画群をぜひご覧いただきたい。

スケジュール

2023年9月14日(木)〜2023年10月9日(月)

開館情報

時間
13:0018:00
休館日
9月16日~18日、21日~24日、10月6日~8日は休廊
入場料無料
会場blue dress SHIBUYA(GALLERY KTO substitute)
https://www.kto-gallery.com/locations/blues-dress-shibuya
住所〒150-0041 東京都渋谷区神南1-13-15 S-Glanz SHIBUYA 1F
アクセスJR渋谷駅ハチ公口より徒歩10分、JR山手線原宿駅西口より徒歩10分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅1番出口より徒歩10分
電話番号03-3461-7655
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