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「新訳風土記集 其ノ伍 唐櫃由来譚 什弐」 キャンバス、油彩、アクリル

吉田樹保 「INDUCTION」

Bunkamura Gallery 8/
終了しました

アーティスト

吉田樹保
日本各地で古くから伝わる寓話や昔話、伝承の数々。明るく愉快なイメージをもたれる話も多くありますが、その裏には、発祥当時のつらく厳しい生活や残酷な風習を反映した逸話も存在すると言われています。多くの物語は、主として口伝による語り手から聞き手への伝達、すなわち「人と人との相互作用」によって現代まで受け継がれてきました。この相互作用は、言い伝えや文書、石碑などの様々な伝達手段を介して行われ、また、伝達の過程で内容の取捨選択、表現の誇張、言い換えが伴うことも少なくありません。そのようにして、物語は徐々にその様相を変化させ、現代に残る形となったのです。

吉田樹保の制作のテーマは「文化の継承と変異」。各地域で根付いた文化的な情報が、「人と人との相互作用」を経て現代に伝わる様子を調べることで、その時、その場所にいた人の本質や業のようなものが垣間見えると彼女は考えます。制作においては、文化的、土俗的な題材について自ら現地調査を行い、これにより着想を得られた「昔話」を、キャンバスへと描き出します。

「昔話」という媒体を介して、人間の本性に迫る吉田樹保の表現は、とてつもなくポップでヴィヴィッドで、絶対的にキュート。油絵の具で細密に描かれたどこかレトロな風景と、アクリル絵の具で描かれた「kawaii」キャラクターたちによって物語が展開されます。
また、作品においては、油絵の具で描かれた部分は物語の「背景・文脈」を、アクリル絵の具で描かれた部分は物語の「意味」を描写。この2種類の画材、2種類の要素の間で残虐性すら感じる重みのある物語をまるでカラフルな影の無いホラー映画のように仕上げ、観る人にその物語が秘める光と影をまざまざと主張するのです。

本展では、彼女の代表作「新訳風土記集」を新たなシリーズも加え展覧販売いたします。会期中には作家本人によるアーティストトークや、初の試みであるディスカッション形式のワークショップなど、物語の理解を深めるイベントも同時開催予定。
近年、いっそう深度を増す吉田ワールドをぜひご堪能ください。

[関連イベント]
1. アーティストトーク
日時: 6月7日(土)14:00〜14:40(予定)
場所: Bunkamura Gallery 8/ 内
入場無料、事前申込不要
2. 自然災害伝承碑の石碑への誘導ワークショップ(仮名)
日時: 6月14日(土)14:00〜15:00(予定)
場所: 渋谷ヒカリエ8階 COURT(Bunkamura Gallery 8/ 隣接)

スケジュール

2025年6月6日(金)〜2025年6月22日(日)

開館情報

時間
11:0020:00
入場料無料
展覧会URLhttps://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/250606yoshida.html
会場Bunkamura Gallery 8/
https://www.bunkamura.co.jp/gallery8/
住所〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F
アクセス東京メトロ副都心線・半蔵門線・ 東急田園都市線渋谷駅B3出口より直結、JR・東急東横線・東京メトロ銀座線・京王井の頭線渋谷駅より2階ペデストリアンデッキで直結
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