Butterflies(蝶々) 2023
Clay(陶)
14.57 x 14.57 x 16.54 inches (37 x 37 x 42 cm) Photo by Ryuichi Maruo

「ミケル・バルセロ: 信楽焼」

ファーガス・マカフリー 東京
12月13日終了

アーティスト

ミケル・バルセロ
ファーガス・マカフリー東京はスペインを代表する現代アーティスト、ミケル・バルセロ(1957年生)による展覧会を開催致します。バルセロにとって当ギャラリーにおける初の発表であり、2023年に信楽の陶芸家・古谷和也(1976年生)との共同制作から生まれた14作品を展示します。

バルセロの作品はその生々しく無骨な表現を通じ、命の循環、自然の驚異、神話、人間の存在意義といった、時代を越える人類の普遍的なテーマに迫ります。若き日からアフリカやアジアを旅し、マリのドゴン族の文化や日本の縄文文化などにも親しんできました。その知識をもとに、絵画、陶芸、彫刻において独自のスタイルを確立し、荒削りな力強さと圧倒的な物質性を備えた作品を生み出してきました。人間の感情と意識の深層に根ざすバルセロの表現力と、作品の超越的なフォルムは、古代の技法と、ジャン・デュビュッフェ、イヴ・クライン、ルチオ・フォンタナらの作品に見られる触覚的な直接性を融合させています。
バルセロの絵画作品が世界的に知られることになる最初期のきっかけは、1981年のサンパウロ・ビエンナーレ、1982年のドクメンタ7でした。高名なキュレーター、ルディ・フックスは、急速に評価が高まっていたドイツ新表現主義やイタリアのトランス・アヴァングァルディアの作家たちと共に、バルセロの作品を紹介したのです。さらに伝説的な美術商、ブルーノ・ビショフベルガーとレオ・カステリのギャラリー所属作家になると(それぞれ1984年と86年)、バルセロは世界中での展示を重ねる中で国際的な評価を確立していきました。

バルセロは1994年、アフリカはマリでの滞在中、ドゴン族の伝統的な土器に触れ、初めて土を使った制作を始めます。その原始的で素朴な素材と伝統的手法はたちまち彼を魅了したことで、土に対する⻑きにわたる追求が始まります。それはしばしば大規模な作品、例えばマヨルカ島パルマの聖体礼拝堂(2001–07年)における300平方メートルのレリーフ彫刻や、ジュネーブの国連会議場のための1,600平方メートルのドーム天井といったプロジェクトに繋がっていきます。

これまでに4,000を越える陶作品を生み出し、あらゆる地域の陶芸について学んだバルセロが、日本の焼物に触れたことは自然なことでした。そしてパンデミック後、著名な信楽の陶芸家・古谷和也との出会いは、彼を800年の歴史を持つ信楽焼の伝統との繋がりへと導きました。古谷の工房での共同作業では壺とレリーフを含めた、計40点以上の作品が生み出されました。古谷が次々と伝統的な信楽焼の壺のフォルムをつくりだすと、土が乾かないうちに、即座にバルセロはその形を変容させていったのです。

アフリカの不毛な砂漠や岩が連なる広大な風景、バレアレス諸島の水中の海洋世界など、バルセロの作品に頻出する深海や大地の有機的なイメージは、彼の持つ歴史や文学、詩、音楽との深い親しみと膨大な知識と呼応しています。本作品群の劇的で即興的な制作プロセスの中ではそれらのイメージが次々に現れ、蟹が捻り出され、表面に虫が削りこまれ、蝶が羽ばたき、魚が自由に波打っています。

緊迫した共同作業は、古谷自身が築いた穴窯での焼成で完結します。季節や気候、物理的な窯の詰め方に大きく影響を受ける、1,300度を越える焼成は4日間続き、昼夜を問わず古谷が見守りつつ薪をくべ続け、錬金術的な変容を経て、信楽独自の豊かな色彩と景色が有機的に立ち現れました。

スケジュール

開催中

2025年9月9日(火)〜2025年12月13日(土)あと34日

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
11月9日は開廊
入場料無料
展覧会URLhttps://fergusmccaffrey.com/exhibition/miquel-barcelo-shigaraki-ceramics/
会場ファーガス・マカフリー 東京
http://fergusmccaffrey.com/exhibitions/
住所〒107-0061 東京都港区北青山3-5-9
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A3出口より徒歩3分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩11分
電話番号03-6447-2660
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