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中村幹 《あわい/信楽たぬき》 2024 [本展出品作品] 陶土、釉薬、顔料、漆 W 47.0 x D 75.0 x H 40.0 cm

中村幹 「影にそぞぐ」

the three konohana
終了しました

アーティスト

中村幹
このたびthe three konohanaでは、弊廊で初めてとなる中村 幹(NAKAMURAMotoki, b.1999)の個展「影にそそぐ」を開催します。

高校生の頃に陶芸の魅力に惹かれて制作を始めた中村は、大阪芸術大学に進学してさらに陶芸の専門的な知識と技術の習得に励み、昨年同大学を卒業しました。在学時は自らの表現の幅を狭めないように、器とオブジェ、双方の表現を行き来しながら制作を続け、学生主体の展示・作品販売の場にも積極的に参加してきました。これまでの彼の陶表現では、人体や動植物をモチーフにすることが多く、それらを作品に反映させる際の自然かつ丁寧な造形が特徴でした。近年頻繁にみられる細密な技術の蓄積を誇張するものではなく、自然物の模倣を経て自らの造形と表現をいかに見出すかに関心が向けられていたように思います。その実現には、モチーフとなる対象物の観察力に加え、造形力の鍛錬、そして制作に応じた土や釉薬など材料の柔軟な選択にも意識が向けられており、大学での4年間はこれからの本格的な作家活動の方向性を模索することに専心していた姿勢が印象的でした。

その集大成として、昨年の卒業制作では「あわい」と名付けた作品群を制作・発表しました。この作品群は、人工物としての日常品とそれに連なる影を実際に観察し、その形象をひとつの物体として陶で表現したものです。場所や環境、時間によって変化し、存在や実体が曖昧である影。かたや、土を捏ね焼成を経て強固な物質性を有し、不変の印象を与える陶。これらの対照的な2つの概念から、日常にあふれる曖昧な物事への視座を浮かび上がらせることを主題としています。この作品群には、実体とその存在を現す影との間から想像できるあらゆる物事だけでなく、陶表現が主軸に置くことの多い工芸が、美術との関係を考えるための新たな視点をも示唆させる可能性を有しているように思います。

中村にとって作家活動初の個展でもある本展では、この「あわい」を主題とした作品に特化した内容で構成します。昨年の卒業制作で発表した作品群と、同じ主題で新たに制作した作品群をあわせて発表し、「あわい」を起点としたこの1年の表現の深まりや変化を捉えながら、この先の彼の活動を展望する機会になればと思います。

スケジュール

2025年3月14日(金)〜2025年4月13日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日
入場料無料
会場the three konohana
http://thethree.net/
住所〒554-0013 大阪府大阪市此花区梅香1-23-23 2F
アクセス阪神線千鳥橋駅南口より徒歩2分、JR線・阪神線西九条駅1番出口より徒歩10分
電話番号06-7502-4115
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