GASBON METABOLISM このたびGASBON METABOLISMでは、小林椋の個展「且ん凡ん目ん、あと皿(しょんぼんめん、あとぼん)」を開催いたします。本展では、2014年から2025年までに制作された作品群の中から、「目的なき機械たち」と言えるような作品を中心に展示します。
これらの作品は、「装置」「機械」「彫刻」といった言葉をもって語られながらも、どこか朴訥な温かみを感じさせる「オブジェ」として小林の作品を特徴づけてきたものです。一見すると生産的な活動をしているように見えるこれらのオブジェたちは、実態として明確な目的や機能を持っておらず、その動きもまた何を目指しているのか判然としません。うねる稜線や歪んだ楕円、緩やかな台座といった造形要素もまた、何かに由来するように見えますがその出自は明言されていません。
それらは、かつて展覧会という時間の中で意味づけられ、あるいは無意味として放置された「箱」たちです。本展では、それらの「箱」を改めて空間に持ち出し、「無名のもの」として意味の枠組みから一度引き剥がし、無作為に並べてみることを試みます。そこには、作家自身が無意識に繰り返してきた「手癖」や、反復の中で少しずつ変化してきた形態の差異が浮かび上がります。
小林椋は、もともと音や映像の原理的な仕組みに注目したインスタレーション作品の制作を起点としながらも、動きのある仕組みや、カラフルなオブジェといった「余剰」を重ねるような作品を生み出してきました。それらは、あえて過剰とも見える構成によって、鑑賞者の多層的な感覚を刺激することになります。
展示空間では、オブジェたちが自律的に動き、ときに音と映像を交えて互いに応答し合う、まるで構造同士が呼吸しているかのような環境が出現します。そこにはもはや中心となる主役は存在せず、訪れる人は、その構造の連鎖する環境へ参画し、観察者であり、同時に構造の一部となります。 その鑑賞体験は、単なる鑑賞に留まらず、体験と参与と発見の循環をもたらすものです。ぜひご体感ください。
[関連イベント]
トークイベント
日時: 8月10日 (日) 14:00〜15:00
登壇者: 成田輝、小林椋(予定)
場所: GASBON METABOLISM(山梨県北杜市明野町浅尾新田12)
まだコメントはありません