同展出品作の《ホーミー&ザ・ローテーターズ(Homy and the Rotators)》(2023)は、宇治野が2000年代初頭から取り組んでいる、20世紀のマスプロダクトをDIYの技術で再構成したサウンド・スカルプチュア(ザ・ローテーターズ)のビートにのって、宇治野の母が生まれ故郷の満洲で最も好きな食事だったいう、餃子の思い出を語る作品です。 この作品を本スクリーニングにあわせて再構成した作品が、《スイート・ホーム・C(SWEET HOME C)》(2026)。母の語りにはかつて過ごした街、安東(現・遼寧省丹東市)の様子が重ねられ、サウンドには、ミニマイズされたアメリカの音楽の構造が反映されています。郷愁を込めて語られる餃子のエピソードに対して、アメリカ文化を享受した戦後の日本に、東京オリンピック開催の年に生まれた宇治野の出自があらわれたサウンドが掛けあわされていると言えるでしょう。
この他、社会が情報化され「モノ」の質量が失われ、物質に対する感性が希薄になった今だからこそ、自らの手で、DIY精神をもってポスト・モダンに対する自分なりの答えを出さなければならないと思いたち、制作をはじめたという「プライウッド・シティ・ストーリーズ(Plywood City Stories)」もあわせて展示いたします。
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