「Iʼll give you a name」と題した本展では、名付ける行為が暗に指し示す“型にはめる”、“区別する”という意図をテーマとし、既存の社会構造によって人々が無意識のうちに植え付けられている”かくあるべき”というアイデンティティの矯正/強制の過程を、花をコンセプトにしたインスタレーションによって可視化します。ジェンダーのみならず、セクシャリティ、世代といった我々の意識下に存在する多層構造的な社会的規範を、子供の玩具やぬいぐるみ、家具といった日常的なモチーフを用いて炙り出していく手法は作家が近年取り組んでいる表現であり、また社会の最小単位である家そのものが、檻のように個を取り巻き矯正していくひとつの装置であることを暗示しています。
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