長谷川町子美術館・長谷川町子記念館「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」とは、昔から美人を形容して言われた言葉ですが、実際これらの花は、多く画題にも取り上げられてきました。ことに牡丹は、日本画・洋画を問わず、様々な画家がその美しさに魅せられて作品にしています。まるで薄衣を着せたような花びらが幾重にも重なり、大輪の花を咲かせる姿は、その花言葉にもあるように、王者の風格を感じさせます。その一方で、ほのかに色づくはかなげな花びらは恥じらいさえも感じさせる魅惑的な花です。そして、その種類の多さから、真夏を除いて様々な季節で私たちを楽しませてくれる花でもあります。今回は当館の収蔵作品の中から、牡丹を画題にした作品を選りすぐって展示いたします。
福島県須賀川市の牡丹園に毎年取材して描いた松尾敏男の「朧」、雨上がりの庭にひっそりと花ひらく白牡丹を描いた山口華楊「雨歇む」、はらはらと降る雪の中に咲く牡丹を描いた那波多目功一「雪舞」、墨の濃淡で美しく描かれた加山又造「墨牡丹」、花瓶にいけられた紅白の牡丹をリアルに油彩で描写した山名将夫「牡丹」、白牡丹をまるで夢の中の幻影のように水彩で描いた藤井勉「夢幻」などの絵画作品と、他に、牡丹を題材にした色絵磁器や鍛金作品を展示いたします。
画家たちを魅了してやまない牡丹の魅力を、存分に感じていただける展覧会です。
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