AISHO(アイショウ)アイショウでは、ストックホルム在住のスウェーデン人アーティスト、Rasmus Nossbring(ラズムス・ノスブリング)の日本初個展「Cavalcade of memories」(記憶の行進)を、1月9日から2月7日まで開催いたします。
主にガラスを用いて制作するノスブリングは、手作業で成形したガラスの要素と、装飾的な既製・収集オブジェクトを組み合わせ、独特な彫刻を生み出しています。異なる時代や社会に属するオブジェクトが交差し、物語は衝突し、重なり合い、変容していき、各要素は歴史を帯びた存在として作品に加わり、その「記憶の蓄積」は、再解釈されることで、さらに増幅していきます。
日本での初個展となる本展では、ノスブリングが2023年に初めて東京を訪れた際に撮影した写真を作品に導入しています。これらのイメージはガラス彫刻の中に組み込まれ、収集されたオブジェクトや手仕事による素材との対話を通すことで、作品に現代的なレイヤーを加え、個人的な体験と歴史的要素を並列させています。そしてノスブリングの彫刻作品は従来の「機能性」を拒む一方で、「使用」「記憶」「存在」と深く関わっています。作品に見える喜びや遊び心は一見して明らかではありますが、その表層の下には、色彩、形態、反射による複雑な構造が潜んでいます。ノスブリングの視覚言語は、アメリカのスタジオグラスの表現主義、ポップアート、写実主義、工業的プロセス、そして伝統的なガラス制作技法から影響を受けています。
本展で用いられる素材や着想の多くは、蚤の市、リサイクルショップ、オークションなどから集められたものです。それらはしばしば土産物や装飾品として見過ごされたり、価値を低く見積もられたりしてきたオブジェクトであるが、慎重な構成と高度な接合技術を通して、そうしたオブジェクトに秘められた「もう一つの人生」を浮かび上がらせ、新たな歴史が立ち現れる場をつくりろうとします。
ノスブリングは幼少期からガラス制作に携わり、レイミューレ・ガラス工房での訓練を経て、ストックホルムのコンストファック芸術工芸デザイン大学を卒業します。工業生産と現代美術の両方を背景に持つ彼の作品は、技術的な精密さと意図的な即興性のバランスによって支えられています。そしてノスブリングの作品の根底にあるのは、素材、技術、オブジェクトに刻まれた歴史への深い敬意であります。
本展では、ガラスを「生きたアーカイブ」として提示します。ユーモラスで詩的、そして政治的な意識を内包しながら、記憶、時間、経験の層によって形づくられているノスブリングの作品をこの機会にぜひご高覧ください。
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