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「回帰観測」

九段坂上KSビル
終了しました

アーティスト

上野里紗、大竹紗央、奥村研太郎、蔵内淡、富田ネオ、中岡尚子、増田麻耶、ヨウシジン
「回帰観測」。
それは、私たちが日本という地点・時点から出発し、異なる土地で観測を行い、やがて再び出発点を見つめ直す営みの呼び名です。制作という行為を伴うこの軌跡は、離郷と帰郷のあいだをたゆたう往復運動であり、今回はその中途報告としての展示を企画しました。

アメリカ、イギリス、ドイツなど、多様な文化や制度のもとで思考と表現を深めてきたアーティストたちは、それぞれ異なる方法と関心を手にしています。私たちがあらためて「日本」という出発点を見つめなおすことは、自らの根源を問い直すと同時に、現在のアートシーンや美術教育の制度を批評的に捉え直す試みともなります。

この展示で扱われる「回帰」は、単なる帰省やノスタルジーにとどまらず、記憶や制度、語りの文法にまで及び、解釈と経験によって常に変化する領域との再接続の試みです。そして観測とは、変化を捉えなおすまなざしであり、芸術を通じて私たちは常に「新たな出発点」を生成していくのです。

多くのジレンマや限界に向き合いながら、それでもなお表現を試みるという点に、私たちの実践のリアリティがあります。江副記念リクルート財団の支援を受けながら海外でリサーチや制作を継続している私たちは、様々な葛藤と対峙しながら、異なる文脈に身を置くことで得た視座を作品に昇華しようとしています。

本展では、個々の試みを通じて、日本のアートシーンや歴史的意識を捉え直す契機を提示すると同時に、財団の活動が社会の中でどのように位置づけられ得るかを問いかけます。また、この時代における芸術の意義を考えるための、局所性と普遍性を想像し発見する場となることを目指します。

作品と鑑賞者の間に互酬的な関係を結ぶことも本展の目的です。奨学生という限定された立場にあるからこそ、その立場からしか見えない風景をひらき、外部との関係性を模索し続けることができると私たちは信じています。なお会期中には、アーティスト、キュレーター、批評家、研究者らを招いたトークイベントも開催予定です。多角的な視点から展示を位置づけ、現在の日本における芸術表現の可能性を探る場にしたいと考えています。

会場: 1階ロビー

スケジュール

2025年8月19日(火)〜2025年9月14日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.instagram.com/p/DMMI7PeIpBB/
会場九段坂上KSビル
住所〒102-0073 東京都千代田区九段北1-14−6
アクセス東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅1番出口より徒歩3分
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