左: ©Richard Pettibone, Courtesy of Castelli Gallery 右: ©Teppei Kaneuji, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
ユミコチバアソシエイツこのたび、金氏徹平とリチャード・ペティボーンの二人展を開催します。
金氏は、複雑なイメージを幾重にも組み合わせたコラージュや彫刻の制作で知られています。2023年からは、立体的な凹凸のある物体にプリントすることのできる最新技術をもちいた、多重レイヤー化され、錯綜する雑多なイメージから構成された作品シリーズ「POOOPOPOO」も手がけています。この作品では、アンディ・ウォーホルやマルセル・デュシャンの作品などの既存のイメージだけではなく、写真やチラシなどの印刷物、子供の落書きや個人的なイメージの断片など、さまざまなイメージが画面に流れ込み、絡み合い交錯しています。
ペティボーンは、既存の作家の作品イメージを小さなサイズの画面に忠実に再現した絵画を制作する作家です。その作品の小さなサイズは、彼が美術雑誌で見た作品のイメージを忠実に再現したものでもありました。それは、モダン・アートの巨匠たちの作品をミニチュア化することで、彼個人のリアルな経験や生活のなかに位置づけるという意味をもつものであったのかもしれません。既存のイメージを絵画として再現し、流用するペティボーンの手法は、1980年代に「アプロプリエーション・アート」と呼ばれる動向の基盤を形成しました。
このように、金氏とペティボーンの作品は、過去の画家たちの作品などの既存のイメージを再解釈し、解体したうえで、そこに個人的な経験を加え変化させ、別の運動や方向を与えていく姿勢によって共通していると言えるかもしれません。
今回の二人展は、ブランクーシとデュシャンを題材としたペティボーンのモノクローム絵画とともに、金氏がそれらの作品にオマージュした「POOOPOPOO」シリーズの新作で構成されます。モノクロームというルールを用いて、二人の作家がどういうゲームを展開するのか、ぜひご覧ください。
HAZIME