2026年3月14日(土)から4月26日(日)まで、CAPSULEにて川内理香子による新作個展『Drift of Water』を開催いたします(協力:WAITINGROOM)。川内はこれまで、ドローイング、ペインティング、立体など扱うメディアを拡張させながら、一貫してダイナミックな線の表現を追求してきました。 素材を横断して展開されるその制作は、身体、思考、物質が相互に影響し合いながら立ち現れる「流れ」そのものを捉えようとする試みでもあります。 2025年に黒部市美術館で開催された個展『The shape of water hardens into stone.』において川内は、黒部の風景、とりわけ山から川へ、そして河口の気水域へと至る水の流れに強いインスピレーションを受けました。川と海が混じり合うその場所は、相反する方向の流れが出会う地点であり、また石や魚、無数の要素が混在し、複雑で混沌としながらも、ひとつの大きな調和が保たれています。川内は、そうした状態が自身の制作プロセスそのものと重なると語ってきました。本展『Drift of Water』では、そこからさらに、水が形を成し、定着する以前の、より微細で、遍在する状態へと視点が移されます。水分を含むもの、混ざり合うもの、空気中に漂うもの、反射や集合によって一時的に輪郭を持つもの──川内は「水」を、特定のかたちではなく、あらゆる存在の内外を行き交い、包み込み、やがて循環していく気配として捉え直します。 キャンバスや空間のなかで、身体、思考、素材は互いに浸透し合い、浮かび、沈み、また溶け合います。本展で展示されるのは、そうした制作にも繋がる水の「漂い」の只中を誘発する作品群です。水のように留まらず、飲み干され、再び自然へと返されていくものたちの運動を、ぜひ会場で体感してください。
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