デカメロン2026年2月27日より、runurunuによる個展〈א〉が新宿・歌舞伎町のアートスペース「デカメロン」にて開催されます。
runurunuは衣装やファッションアイテム制作から活動を開始し、近年ではその独自の造形表現を、布を用いたソフトスカルプチャーやインスタレーション、パフォーマンスへと拡張させてきました。 runurunuと素材の間で繰り広げられる偶然と再現の往復運動のなかで生み出されるその複雑なパターンには、突然変異と増殖を繰り返していく生命体のような美しさがあります。
これまでの作品の変遷を辿ると、人体を起点とした“服”から出発し、やがて人体から離れたインスタレーション(タツノオトシゴとそのジェンダーをモチーフとした作品、放射相称状の作品など)へと展開し、さらに機械やテクノロジーも生物の一部として扱い、私達の皮膚に身近である布と統合した新たなソフトスカルプチャーへと至ります。その豊かな展開は、runurunuの手によって生命の多様な進化のプロセスがなぞり直され、そして未知の領域にまで拡がっていく光景を目撃しているかのような驚きを与えます。
多様な形式を横断してきたrunurunuですが、本展ではあらためて私たちが「人体を有している」という事実に立ち返ります。そして、「人間のスケールでは扱いきれない現象」を、「人間のスケールでしか処理することのできない身体」を通して経験することにフォーカスした新作群を発表します。 新作の一つとなる〈rs〉は椅子型の作品で、鑑賞者が実際に座り映像を眺めることのできる構造を持ちます。前方に展示される映像作品〈 ga, 〉はジョルジュ・バタイユの「太陽肛門」から着想を得ており太陽のプロミネンスや日蝕について、またその観測地点に焦点をあて真偽を交ぜ制作されたものです。本展に関してrunurunuは「人間とは何か、ではなくどのような配置が人間という像を生じさせるのか。観測位置の一つとしての人間と不可視の存在を探る。」と語ります。
2021年に制作されたא(アーレフ)という作品を転機に人体構造から遠ざかっていったようにも見えたrunurunuが、あらたな視座を携えて再び“人体”のスケールに向き合う現在地を、ぜひご高覧ください。
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