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[画像: 平塚良一 “Sans titre 2023 s+71” 顔彩、和紙 51.5 × 36.4 cm 2023]

平塚良一 「avant / arrière」

s+arts
終了しました

アーティスト

平塚良一
s+arts(スプラスアーツ)より、平塚良一個展「avant / arrière」の開催をお知らせいたします。
平塚良一は、独自の視点で見出された素材を用い、「現実を考える姿勢」について長年追求している作家だと言えます。「彼のアプローチ方法はとても抽象的ですが、そこに含まれる意思は哲学的で、本質とは何か」としきりに問いかけてくるようです。絵画としての表現方法は多岐に渡り、制作を通じて常に新しい表現方法を探っています。
「絵画は、支持体に色を接着したり、削り取ったりすることで出来ている。」と平塚は捉えます。このような発想に至るのは、アメリカでの「ミニマルアート」、西ドイツでの「フルクサス」、日本での「もの派」などを含め、特に1960年代末から1970年代にかけて絵画に関する根本的な問題提起をおこなったことで知られているフランスの「シュポール/シュルファス」の理論を引き継いでいるからだと言えるでしょう。当時フランスに留学していた平塚は、絵画的なイメージを問題とするのではなく、絵画が現実空間の中での物体であることを顕在化しようとしたこの美術運動を目の当たりにし、大きな影響を受けました。「表面と支持体」という言葉が、平面作品を構造的に理解させたと平塚は話します。
本展示タイトルの「avant / arrière」とは、フランス語で「表/裏」という意を表し、近年の平塚の制作スタイルに相応しい言葉だと言えるでしょう。今回は、墨液と顔彩を支持体と和紙の間に挟み込む技法で制作された新作の発表をいたします。和紙の表面に挟めた素材が滲み出るだけでなく、裏面や、更には支持体にもその痕跡が残ります。そして、一度墨液や顔彩が乾くと、そこからのコントロールは出来ず、例えば陶芸家が粘土と炎に託すように、墨液と顔彩に制作を委託したことになると平塚は考えます。予想外の痕跡を、空間に存在する現実として受け止め、表裏問わず様々な方法で手を加えることにより、作品が生まれてくるのです。そのようにして自身が存在している痕跡を残して行くのが、平塚良一の制作への姿勢だと言えるのかもしれません。
制作過程において偶発的に発生する自然の不思議に対し、自身が納得したお気に入りに出会うことがあります。自然現象なのか、記憶の中に残された風景なのか、それともDNAに残された先祖たちの幻想なのか。平塚自身にも答えは分かっていませんが、そういった作品に出会える喜びが、制作を続けている動機の一つだと言えることは確かです。
新作と旧作を交えて本展にてご紹介いたします。

会場: Room 1

スケジュール

2023年4月7日(金)〜2023年4月16日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
日曜日、月曜日、火曜日
会期中無休
入場料無料
会場s+arts
https://www.splusarts.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
アクセス都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号03-3403-0103
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