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[画像: 石川竜一《音景色》 2023年 アーカイバルピグメントプリント 79×104cm]

石川竜一 「音景色」

GALLERY KTO 新宿
終了しました

アーティスト

石川竜一
石川竜一の個展「音景色」がGALLERY KTO 新宿で開催されている。石川は『絶景のポリフォニー』で第40回木村伊兵衛賞を受賞し、近年も同書を継ぐ『zk』や、生命をテーマにした鮮烈な写真集『いのちのうちがわ』を発表している写真家だ。

とはいえ、本展に出品された写真は1点《音景色》 のみであり、残りは4つの異なる映像から構成される《音景》だ。《音景色》には、《音景》に登場する、シャッター、椀と水道管、自動販売機、そして木が寄せ集められている。《音景色》は、明るい緑と赤の対比が美しいコラージュ写真なのだ。

では、音と映像からなる《音景》はどうだろう。まず、薄暗い屋外で白い椀と複数の水道管を記録した作品を例に考える。モニターにはヘッドホンが繋がれており、そこから、水が地面や水面と接触する音が聞こえてくる。この音はそれぞれ聞き分けられるほど差異があり、一つの音楽を奏でているようだ。だが、それらの音が、どの水滴によって生じているかは判然としない。もう少し映像を見続ける。すると水道管やモニター外の上部から水滴が落ち続けていることがわかる。

今見てきたように、音によって鑑賞時の注目箇所が変更された。音とイメージが関係し合っているのだ。こうした特徴は《音景》を構成する別のモニター、画面の大半を揺れる木が覆う作品でも見て取れる。

本作の音も、やはりヘッドホンから聞こえてくる。映像のみを見たときには想像することが困難な音、より限定的に木の葉が互いに擦れる音を聞くことになる。それは、液体の中で気泡を立てるとうまれる「コボコボ」という音に近い耳障りがある。この興味深い音と木の動きが対応することで、木それ自体やその動きは、新たな印象を付与される。

以上のような音と映像の交わりは、他の映像作品にも指摘することができるだろう。会場に配置されたスピーカーから聞こえてくる音とともに、石川の最新作をぜひお楽しみいただきたい。

スケジュール

2023年11月28日(火)〜2023年12月23日(土)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
日曜日、月曜日
入場料無料
会場GALLERY KTO 新宿
https://www.kto-gallery.com/
住所〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-18-2 サンビューハイツ新宿1F 103
アクセス京王新線初台駅北口より徒歩5分、 都営大江戸線線西新宿五丁目駅より徒歩10分、小田急小田原線参宮橋駅より徒歩14分
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