POST / limArt本作は、1995年生まれの竹久が現在進行形で引き受け続けている「展覧会の記録撮影」をまとめた写真集となります。竹久が撮影する展覧会は美術館やギャラリーにとどまらず、屋外や廃墟、オルタナティブスペースといった時代を反映したような場所が多数含まれます。また竹久はそうした場所での設営などにも立ち会うことで、結果として現代の展覧会に携わる人々や事物の関係性を包括的に記録し続けてきました。しかし、何よりも本作の特異さは「他人の様々な作品を記録し続けた結果、それが竹久自身にとっての作品にもなっている」という点にあるでしょう。
タイトルの「撮影」という言葉は、江戸幕末期に蘭学における「物体に対して光学的に像を定着させる技術工程」を翻訳する過程で作り出された造語です。そして、技術開発ではなく技術を輸入し使うところから始まった日本の写真史において独自の概念として発展してきました。竹久はこの「撮影」を、「まとまりようのないものたちが在り、それをそのまま見せる・残すことができてしまう技術」として読み替え、さまざまな展覧会の記録をひとつの作品としてまとめ上げます。主体が定まらないことでしか達成され得ないような記録というものがあるとしたら、それは一体どのようなものなのか。この本は、現代における記録や主体のありようを「撮影」を通して再考する一冊となるでしょう。
[関連イベント]
1. トークイベント①
日時: 2026年8月1日15:00〜16:30
登壇者: 竹久直樹、星加陸(グラフィックデザイナー)、布施琳太郎(アーティスト)
料金: 1500円(要事前申込み)
2. トークイベント②
日時: 2026年8月14日18:00〜19:30
登壇者: 竹久直樹、若山満大(東京ステーションギャラリー学芸員)
料金: 1500円(要事前申込み)
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。
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