本展で展示するシリーズ〈とりいそぐかたち/ The shape for now〉は、数年に渡る模写や作家たちの振る舞いの模倣を通じて、倉吉の先人たちに学んだ「手癖」を活かした集大成とも言える作品です。倉吉の街中で咲きかけの椿に「未来の予感」と「過去の名残」を留めた姿をみた久保田は、そのような複数の時間軸を同時に含むようなブレを含んだ絵画が描けないか、と考えたといいます。模写を重ねるうちにいつからか引けるようになってきた新たな「線」を活かし、長谷川富三郎や徳吉英雄といった郷土の作家たちがこれまでも描いてきた「椿」や、長谷寺の「絵馬」などのモチーフを、現代倉吉の風景としてあらためて描きます。久保田の作品としては珍しいモノクロの絵画は、息を殺し、先人たちの気配を感じながら、動き出す線の声を聞くことに集中した結果だと言えるのかもしれません。
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