同理論に対するコーベットの視点は、2022年にロンドンのテート·ブリテンで開催された個展「Let the sunshine in」で上映された初の映像作品『Cyborg theory: the adequacy of tenderness to our antipathy』の基礎となりました。 同作は、オスカー・シュレンマーの『Triadisches Ballet』から構想を得たダンスシーンを軸に、8幕から成るミュージカル作品です。 作中では身体の動きに作用する建築物を身につけたパフォーマー達が、アフリカ系アメリカ人としての体験を探索する姿が窺えます。 また、本作はコーベットの活動を理解するための入口となるものであり、本展中でも上映され、コーベットの世界観を体感する大きな役割を果たすでしょう。
本展覧会タイトル「down the road(ダウン・ザ・ロード)」とは、コーベットが育った南ミシシッピでよく耳にした言葉であり、アフリカ系アメリカ人の老人らが交わしていたミシシッピ訛りの会話の追憶から由来しました。 それは特定のものを意図しない曖昧な方向性を示す言葉であり、そのニュアンスはコーベットの育ったコミュニティを凝縮するかのように表現します。 本展を構成する、映像から陶器と絵画まで合計41点の豪華な作品群の多くは、ミシシッピでの記憶や体験から生まれており、また、作品を彩る色と線のフォルムは、記憶に残る人物の個性や、関わり合いによって呼び起こされた感情、あるいは制作中に聴くジャズの影響によって、コーベット自身の中にある物語を象徴的に描き出します。
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