Token Art Centerでは、2024年1月13日より花形槙 個展 「A Garden of Prosthesis/Thanatosis」を開催します。 花形はこれまで、デジタルデバイスやオブジェなどを用いて身体や意識を改変していくようなパフォーマンスやそれに使用されるオブジェクトやドキュメントなどを発表してきました。例えば、植物、家電、日用品、肉体を接続させながら、社会的な規範を逃れ得る物体を合成し、それらによって構成される庭を生成していくパフォーマンスインスタレーション《A Garden of Prosthesis》や身体の任意の場所に装着した小型カメラの映像をヘッドマウントディスプレイを通して見ることで、身体の振る舞いを作り替えるパフォーマンス《still human》などがあります。 ここで共通するのはあらゆるものを等価に扱い、人間の正常な身体や理性的な意識を特権的に扱わない態度であり、それは言い換えれば、自我の死ということができるかもしれません。それはユングにおいては精神の根本的な変容と言われるし、あるいは神秘主義においては絶対他者との合一と言われるように、花形のパフォーマンスはいわゆる人体改造や機械との融合による新しい身体の開発が目的ではなく、身体や他者との関係を作り直すことを介して精神を根本から変容さることにあるのでしょう。 本展ではタイトルの示す通り互いが互いを義肢として接合させ合いながら生まれるキメラが関係し合う庭が生成されます。1階展示室では、義肢装具士の安田伸裕氏とともに制作した”樹木の義肢になるための接合器”の展示、そして会期中それらを使用し他物と接合するためのリハビリテーションを行います。また、2階展示室は2月2、3、4日にTOKAS本郷で行われるパフォーマンス 花形槙「A Garden of Prosthesis」のための公開ラボとして機能し、会期中作庭実験が行われ、実験に関する資料や痕跡がアップデートされていきます。いずれも展示とパフォーマンスが接続しながら変容する展覧会となります。
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