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長沢慎一郎 「Mary Had a Little Lamb」

PURPLE
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アーティスト

長沢慎一郎
PURPLEでは現在、長沢慎一郎による個展「Mary Had a Little Lamb」を開催中です。

第49回木村伊兵衛写真賞を受賞した本シリーズ『Mary Had a Little Lamb』において、長沢慎一郎は小笠原諸島・父島に残る壕に遭遇し、そこに秘められた「核の記憶」をたどっています。

第二次世界大戦後、アメリカは「抑止力」という名のもと、世界各地に核兵器を配備しました。そのひとつが父島にも存在していたとされ、米軍占領下の23年間、核弾頭が密かに貯蔵されていたといいます。その施設には、アメリカの童謡にちなんだ「Mary Had a Little Lamb(メリーさんの羊)」という名がつけられていました。

長沢慎一郎は2008年から父島に通い続け、前作『The Bonin Islanders』(2021年)では、占領時代に帰島を許された欧米系島民の子孫たちのアイデンティティを丁寧に記録しました。本作はその延長線上にあり、彼らの証言やアメリカの研究者ロバート・ノリスらの調査を手がかりに、壕の内部にカメラを向けています。

白く塗装された密閉空間、銅板に覆われた壁、腐食した鉄扉。そこには「空」であるがゆえの重さがあり、写真は失われた時間と記憶を静かに、しかし圧倒的な存在感をもって伝えてきます。

作品の合間には、海辺の光や椰子の木が挿入され、暗がりの中にかすかな余白を与えています。過去の出来事にとどまらず、今なお続く核の脅威とどのように向き合うかを問いかける本作は、私たちに見えない「空洞」としての歴史と、そこに宿る記憶を見つめ直すきっかけを与えてくれます。

《展示入れ替えあり》
前期:8月1日[金]-8月10日[日]
後期:8月16日[土]-8月31日[日]

スケジュール

2025年8月1日(金)〜2025年8月31日(日)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日、火曜日
8月11日〜15日は休廊
入場料無料
展覧会URLhttps://purple-purple.com/exhibition/mary-had-a-little-lamb/
会場PURPLE
https://purple-purple.com/
住所〒604-8261 京都府京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル3F
アクセス地下鉄東西線二条城前駅2番出口より徒歩4分、地下鉄烏丸線・東西線烏丸御池駅4-1出口より徒歩10分
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