IG Photo GalleryIG Photo Galleryでは2024年6月4日(火)より内倉真一郎展「浮遊の肖像」を開催いたします。
内倉真一郎は数々の写真賞を受賞し、注目されている新進写真作家です。被写体となった人々のうちなる衝動を引き出したユニークなポートレート『私の肖像』(2020年、赤々舎)、海辺にうち捨てられたモノたちが能弁に語り出すドラマチックな静物写真『忘却の海』(2023年、赤々舎)などの写真集ほか、精力的に展示活動を行っています。
今回展示する「浮遊の肖像」は、『私の肖像』に続くポートレート作品ですが、人物写真に新たな領域を開く試みです。
『私の肖像』では人物を正面から見据え、人間が誰しも持っている表現意欲や、個性的でありたいと願う心のうちを表現しました。一方、「浮遊の肖像」はまるで被写体となった人たちが宇宙空間に浮遊しているかのような印象を与えます。
『私の肖像』が地に足をつけ、人間の内面を引きだそうとしたリアルな肖像写真だとすれば、「浮遊の肖像」は地面から浮き上がり、現実から文字通り「浮遊」したファンタジックな作品だと言えるでしょう。私たちが地球上で縛られ続けている重力から人物を解き放つ表現は、この世界とは別の世界で撮影されたポートレートのようです。
ひとかたまりになったラグビー選手たち、そこかへ向かってこぎ出しているかのようなカヌーの漕手。結婚衣装を着た男女、生まれたばかりの2人の赤ん坊、給食着を着た少女……いずれも目を閉じていることも謎めいています。瞑目した人々は、心地よさにうっとりと眠りを楽しんでいるようにも、こことは別の彼岸へと旅立ったようにも見えます。この世とあの世の境界をたゆたう姿は、生と死の境界についての私たちの想像を喚起します。
「浮遊の肖像」は2022年にKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY(西麻布、東京)ですでに発表されていますが、当時は作品を額装して1点ずつ鑑賞する形式の展覧会でした。今回の展示では、展示空間そのものを作者が演出するインスタレーションとなります。浮遊する肖像たちの空間の中へぜひお越しください。
なお、会期前の6月1日(土)に作家とディレクターのトークセッションをYoutubeでライブ配信します。
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