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渡辺志桜里 「おほやけ / Filial 1 hybrid」

Yu Harada
終了しました

アーティスト

渡辺志桜里
本展では、二つの異なるシリーズを通じて、身体と制度、個体と系譜、自然と技術といった、私たちを取り巻く「かたち」への根源的な問いを投げかけます。

・『おほやけ』シリーズについて
『おほやけ』は、歴代天皇の姿をガラスの能面として可視化するプロジェクトです。
「おほやけ」とは、古代において内裏(だいり)すなわち天皇の住まいを指し、また「公」という概念においては共同体が集う「大きな家(やけ)」の意を含んでいます。能舞台の屋根の様式としてもその象徴は受け継がれています。渡辺はこの語の重層的な意味を手がかりに、天皇を「生態系と人間中心主義のはざまで揺れる存在」として捉え、その姿を透過性のあるガラスの能面に昇華させます。
今回は、既発表の近現代3代(明治・大正・昭和)に加え、実在が定かでない25代以前の中から、神武、神功、仲哀の三天皇を新たに制作し、全6点を展示します。実在と象徴、制度と身体、歴史とフィクションが交差する本作は、「おほやけ」が内包する不可視の構造を静かに浮かび上がらせます

・『Filial 1 hybrid』シリーズについて
『Filial 1 hybrid』は、スーパーで販売されているF1種の野菜を再生し、花を咲かせ、その「生殖器」を記録する作品です。
F1種とは、異なる固定種同士を掛け合わせて作られた「雑種第一代」のことで、均一な発芽・成長・収穫を目的に流通に最適化された形で生産されています。しかしその次世代、いわゆるF2種では遺伝子がばらつき、味や形の均一性が失われ、自家栽培も難しいことから市場に出ることはほとんどありません。
渡辺はこの経済的かつ生物的な制約を逆手に取り、F1野菜を「リポベジ」(Reborn Vegetable)として再生させ、生殖器としての「花」が開いた瞬間を写真に収めます。今回はニンニクを用いた作品を展示。人為的な交配・制御と自然の生命力のせめぎ合いを、静謐で挑発的な視点から記録しています。

スケジュール

2025年6月14日(土)〜2025年7月13日(日)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.yuharada.com/exhibitions/shiori-watanabe-solo-exhibition
会場Yu Harada
https://www.yuharada.com/
住所〒162-0065 東京都新宿区住吉町10-10
アクセス都営新宿線曙橋駅A2出口より徒歩4分、都営大江戸線若松河田駅河田口より徒歩12分
電話番号090-6001-1880
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