KAGアーティスト
藤井光、亀井文夫、吉見泰、崔承喜、山本聖子、森田玲音、ガタロ、T.T. タケモト、白川昌生、井上莞、厚木たか
KAGでは、グループ展「月を射る」を開催いたします。本展は、詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ)が1930年代末に記した散文詩「月を射る」を起点に、近代から現在に至るイメージに通底する「植民地主義」の精神構造を考察します。朝鮮半島に生まれ、日本留学中に治安維持法違反で獄死した尹は、その詩において、夜空で「あざわらっている」月を、自作の弓で射ようと試みました。砕いてもなお元の形に戻る月を射抜こうとするその孤独な身振りは、個人の力では変えがたい支配の構造や歴史の重力に対し、内面の痛みがいかにして抵抗のかたちを取りうるかを示唆しているかのようです。
本展では、戦前・戦中の教育映像やプロパガンダ、パフォーマンスから現代のフィールドワークまでを横断し、かつて「帝国」が形成した管理モデルと、その地平に芽吹いた今日の問題を問い直します。
本展で扱う作品の多くは、国家や行政、あるいは社会的な「規範」というフィルターによって、かつて上映を禁じられ、記述を削除され、あるいは存在そのものを拒絶されてきた「検閲の記憶」を内包しています。記録が沈黙を守る「空白」に、私たちは何を見出し、どのような言葉を書き加えることができるのでしょうか。
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