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「/」

新宿眼科画廊
終了しました

アーティスト

石井飛鳥、渋谷和史、永田一樹、 高梨大、Fushi / 風史
“/”(スラッシュ)という記号は、「そして」「もしくは」のように文章中で使われることや、コンピュータのパス、分母分子といった上下を分かつための記号としても使われることがある。前後に置かれる言葉や数、さまざまな物事と繋がっている/分け隔てられていることを示すことができるのだ。そして、私たちの生活にありふれているテクノロジーにも”/”のような作用がある。それは友達を「親しい」と「親しくない」で区別するInstagramや、私たちの生活リズムをコンテンツによって方向づける番組表、一定の書式によって記述される住所だったりする。それらは2値化された物事をなめらかに繋いでいるように見せかけるものの、そこに存在していた様々な位相や複雑性を許さない、居心地の良い空間のためのシステムである。

そもそも人は名づけえないものを取り扱うことが苦手であり、整理されたものを求めてしまうという「わかりやすさへの欲望」を持っている。情報技術は整理された世界を表示することで、その欲望を加速させる。その結果、私たちは、分断され整理されたものに居心地の良さを感じ、複雑なものを複雑なままにすることができなくなっている。情報技術の引力と斥力、つまりスラッシュのような効果があるということを自覚しないまま、それが求めるままに(本当は分断されている)物事や人々がつながっているのだと認識する/つながりを演じている。しかしそこは、既に割れ切った後の世界である。

本展示は2020年4月に慶應義塾大学SFCに入学した作家で構成される。四角い箱から発されるブルーライトがキャンパスだった私たちの生活はまさしく”/“であり、さまざまな困難を抱えつつ大学生活を送ってきた。そしてそのことによってつながった(つながりを演じることを求められた)こともあった。こうした経緯を踏まえ、本展示会はスラッシュの効果を受け入れ、再解釈する実験の場とし、情報技術をめぐる表現と実験的な取り組みを経て、透明化している”/”の存在を浮き彫りにすることを試みる。

/* プログラムにおけるコメントアウト(ソースコードやプログラムの一部分を無効化すること)には”/”が用いられることが多い。私たちは、この展示を社会に対する一つの「コメントアウト」だと考える。社会とのつながりを確認しつつ、一方で社会システムの外側でコメントをする。それは、ともすると社会のシステムに全く影響を与えない、ということになる。確かに社会に影響を与えるのであれば普通に働いたり、起業や、NPOや、社会運動といった直接的な行動を起こした方がいいかもしれない。しかしそれでも、私たちは社会に対する応対と逸脱の両方を抱えながら、「コメントアウト」を行いたい。複雑なコードは、コメントによりはじめて理解の糸口が提供されるからである。*/

スケジュール

2023年10月13日(金)〜2023年10月18日(水)

開館情報

時間
12:0020:00
水曜日は17:00まで
入場料無料
展覧会URLhttps://scrapbox.io/tenjiwosuruyo/%E3%80%90_%2F_%E3%80%91
会場新宿眼科画廊
http://www.gankagarou.com
住所〒160-0022 東京都新宿区新宿5-18-11 タナカビル101
アクセス東京メトロ副都心線・丸ノ内線・都営新宿線新宿三丁目駅C7出口より徒歩6分、東京メトロ副都心線・都営大江戸線東新宿駅A1出口より徒歩6分、JR新宿駅中央東口より徒歩10分
電話番号03-5285-8822
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