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山口聡一 + 渡部未乃 「Transcendence」

ANAインターコンチネンタルホテル東京
終了しました

アーティスト

山口聡一、渡部未乃
ARTPLAT@Bwac JAPANは山口聡一、渡部未乃による二人展Transcendence を開催いたします。
そこしれぬ色彩への関心、ひたむきに構図を練り下絵を重ねていく姿勢、日常を別の視点から見つめそこに新たな世界を見出す試み―これらが山口と渡部という二人の作家を結びつけている。
一方で取り組むテーマ、モティーフの選び方はそれぞれ異なる。花という伝統的な題材を選びつつ絵画における立体性をテーマとする山口に対し、渡部は植物や海といった自然に焦点を当て、時に人工的な要素を加えながら、その逞しく多様な形体にモティーフを見出す。
本展に並ぶ新作は、各作家がこれまでの制作活動の中で抱いた疑問を起点とし、生み出された。

山口が着目したのは、作品上で描かれる対象よりも絵画という行為と、絵画における立体性そのものである。ルネサンスにおける透視図法確立以来、私たちは絵画を前にすると半ば無意識にそこに近景と遠景から成る奥行きを見出そうとする。「絵画のなかに手を入れて、奥から手前へと描いていく感覚が常にあった」と語る作家は、文字通り視点を転換することで、絵画を正面ではなく全く別の角度からー比喩ではなく物理的にー捉えようと試みる。平たい支持体の上に花を描くなかで塗り重ねられていく異なる色彩の絵具―そうした繊細な重なりを拡大し横から観察したとき、そこにはさながら宇宙のような景色が広がっている。これまで絵具の積層をテーマに作品を展開してきた山口は、絵画の奥へと深く潜り込むことで、我々の眼前に絵画における新たな立体性を提示する。

幼いころから自然への親しみと関心を育んできた渡部は、植物の知性と感情を探究する。自然界における生存競争ゆえに、植物は置かれた環境に応じてその姿を巧みに変容させ、成長し、繁殖をつづける。そこには果たして知性や感情が伴うのだろうか。その一方で、人間界における自然、あるいは自然と人工の対立についても渡部は関心を寄せる。生来、種の保存のために色づいた花々を、人間は全く審美的な理由から着色することもある。これに着想を得て、生成AIで実在しない植物を生み出しその画像を参考に生み出されたシリーズは、草花の一部を切り取りながらもマクロな視点も持ち合わせ、そこには人間の都合で恣意的に歪められていく自然と、それでもなお人間を凌駕する自然の逞しさに対する眼差しが満ちている。日々積極的に自然に触れ、その生態を学ぶ渡部が描く草花と海は、虚構と現実の狭間から生みだされ、生命力溢れる光を放つ。

アプローチは異なりながらも、ともに視点を変えることで生まれた二作家の作品の数々は、抽象と具象、現実と架空、二次元と三次元の間で揺れ動き、軽やかに境界を超えていく。

スケジュール

2025年9月2日(火)〜2025年11月30日(日)

開館情報

時間
0:0024:00
入場料無料
会場ANAインターコンチネンタルホテル東京
http://anaintercontinental-tokyo.jp/
住所〒107-0052 東京都港区赤坂1-12-33
アクセス東京メトロ南北線・銀座線溜池山王駅13番出口より徒歩1分、東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅A2出口より徒歩12分、東京メトロ千代田線赤坂駅5b番出口より徒歩16分
電話番号03-3505-1111
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