スパイラルCCBTの移転・リニューアルオープンを記念して、CCBT初の音楽イベントを開催します。2022年のCCBT開設以降、アートとテクノロジーの発想法や手法を参照・活用するCCBTにおける表現の中核には、いつも「音(サウンド)」が存在していました。一方で、「音」に関する本格的な実験や制作に取り組むには、環境的・条件的課題が数多くありました。
課題のすべてが解決されたわけではありませんが、リニューアルを機に、これらの制限を逆手に取り、従来の枠に収まらない、しかし「音」そのものの本質を捉え直すプロジェクト「Sound Atlas(サウンド・アトラス)」を始動します。そして、第一弾のイベントとして「Sound Atlas #1『極地からの音』」を音楽家・小松千倫との共同キュレーションにより開催します。
企画にあたっては、人間の耳には聞こえない超低周波音(インフラサウンド)に着想を得ています。インフラサウンドは、地球物理学の分野で長らく基礎研究が続けられてきた経緯を持ち、大規模な物理現象によって発生するため、地球環境変動を監視するための重要なツールとして将来的に防災のための情報を得る手段に活用できると考えられています。例えば、氷河の崩落等による巨大な圧力変化から南極においてもインフラサウンドが発生したり、大気中を遠方まで伝わるその性質から、8,000km離れたトンガの火山噴火音が日本でも観測されたりします。つまり、わたしたち人間が知覚できない「極地からの音」が、都市を超え、国を超えて、今も環境の中で莫大に鳴り響いているはずであるということです。
目に見えない遠い場所、耳で聞こえない音について、自らの知覚を超えて想像すること。
その想像力を起点に、本イベントでは、響き・漏れ・伝わっていく音の本質を、ライブ、パフォーマンス、インスタレーション、トークなど、領域を越えたコラボレーションと重なり合いから探求し、「音」の可能性をひらきます。ぜひ、お集まりください。
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