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Yuji Ueda, Untitled (detail), 2025, ceramic, © Yuji Ueda, Photo: Takeru Koroda

「Surface and Signal」

BLUM
終了しました

アーティスト

浜名一憲、西條茜、ピーター・シア、上田勇児
2025年6月、BLUM東京は、浜名一憲・西條茜・ピーター・シア・上田勇児よるグループ展《Surface and Signal》 を開催いたします。

それぞれ作家たちの実践は、形式上の明瞭さ、素材に対する率直なまなざし、そして「意図」と「偶然」の間に存在する繊細な感受性を共有しています。本展は、絵画と陶という異なるメディウムに内在する構造的な制約の中で、脆さや造形の痕跡、静かなラディカリズムを許容する大らかさを内包させながら、各作家がそれぞれの実践にどのように取り組んでいるかに焦点を当てます。

本展で紹介するピーター・シアによる絵画作品は、作家の実践に通底する詩的な感覚を協調するように、文化や美術史のさまざまな瞬間の横断的な参照に根差した、視覚的記憶を喚起する身振りを伴って、簡潔でありながらも力強い存在感を持っています。その筆致は《Current》(2025)に見られるように、作家の手の痕跡と絵の具の物質性を同時に強調しながら、浜名一憲、西條茜、上田勇児による陶芸作品が持つ素材性や複雑な釉薬の層と響き合っています。

浜名一憲の壺は、灰色の粘土を練り上げてコイル状に成形し、それを手で積み重ねて形作られています。作品が有する物質性、そして刷毛によって彩色された釉薬が施された表面には作家の掌や指の痕跡を見てとることができます。力強く、大ぶりな円形の壺作品には、人間の手による無意識の痕跡や不完全さ、制作過程における偶発的な状況によって刻まれた微細なディテールに満ちていると言えるでしょう。

浜名と同様に、意図された偶然性の中にある崇高な佇まいに目を向ける上田勇児は、「美しい不完全さ」を重んじる信楽焼の伝統に自らの実践を重ねています。その作品は、粘土の層の上に石膏を重ねることで、ひび割れや剥離があらかじめ設計された表面から、あふれ出すように現れる鮮やかな釉薬が特徴的です。さらに、江戸時代から日本で用いられてきた鋳込みの技法も取り入れられています。

西條茜は、身体と共鳴し、身体のための空間を創出するような陶のフォルムを制作します。その作品群は、パフォーマーが作品に息を吹き込んだり、身体的に作用したりするパフォーマンスを通じて、私たちを分かつ「伝達」と「知覚」の断絶された知りえぬ空間に目を向けさせます。精緻に成形されたフォルムに巧みに釉薬を施したその作品群は、本展に参加する他の作家たちと同様に、本質的な人間の営みの不秩序さを前に、なおも「完璧さ」を探求しようとする緊張関係を示唆的に表しています。

浜名一憲(1969年大阪府生まれ)現在千葉県を拠点に制作活動を行っています。作品は、これまでに大倉集古館(東京、2023年)、ザ・ウェアハウス(ダラス、2023年)、ヘッドランズ・センター・フォー・ジ・アーツ(カリフォルニア州サウサリート、2021年)、十和田市現代美術館(2017年)、横浜美術館(2016年)など、国内外の美術館やギャラリーで紹介されてきました。また、Blum & Poe では、村上隆によるキュレーション展(ロサンゼルス∕ニューヨーク巡回、2015年)、大井戸猩猩との二人展(東京、2020年)に参加。その作品群は、中国・杭州の BY ART MATTERS、アメリカ・ダラスの Rachofsky Collection などの美術機関のコレクションとして収蔵されています。

西條茜(1989年兵庫県生まれ)は、現在京都を拠点に活動しています。京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器分野を修了。2022年には丸⻲市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で開催された「MIMOCA EYE / ミモカアイ」第1回で大賞を受賞し、2025年初頭には同館にて作家初の美術館個展《Double Touch》を開催しました。その作品群は、愛知県美術館(愛知)、森美術館(東京)をはじめとする国内の主要な美術館に収蔵されています。2025年秋には、あいちトリエンナーレの関連企画《A Time Between Ashes and Roses》に参加、同年11月には BLUMロサンゼルスにて個展が開催予定です。

ピーター・シア(1980年生、マサチューセッツ州ビバリーファームズ出身)は現在、インディアナ州ブルーミントンを拠点に活動しており、これまでアメリカ国内外で広く作品を発表しています。近年の個展には《Time Stamp》(ヘロン・スクール・オブ・アート+デザイン、インディアナ大学、インディアナポリス、2019年)があり、グループ展としては、《The Feminine In Abstract Painting》(ミルトン・レズニック&パット・パスロフ財団、ニューヨーク、2023年)、《A Wild Note of Longing: Albert Pinkham Ryder and a Century ofAmerican Art》(ニューベッドフォード捕鯨博物館、マサチューセッツ、2021年)、《BasicInstinct: Peter Shear and Ellen Siebers》(FJORD、フィラデルフィア、2016年)などが挙げられます。

上田勇児(1975年滋賀県信楽町生まれ)は、同地にて受賞歴のある茶農家に生まれ、同地を拠点に活動しています。2015年には、Blum & Poeのロサンゼルスとニューヨークを巡回した村上隆キュレーションによるグループ展に参加。近年では、《Unearthed》(オレンジカウンティ美術館、コスタメサ、カリフォルニア州)や《Earth, Wind, and Fire: Visions of the Future from Asia》(大倉集古館、東京、2024年)など、国内外の主要な展覧会に出展しています。

スケジュール

2025年6月28日(土)〜2025年8月2日(土)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2025年6月28日(土) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://blum-gallery.com/exhibition?lang=eng&filename=1747268739671x690323951867134000
会場BLUM
https://blum-gallery.com/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森 5F
アクセスJR山手線原宿駅竹下口より徒歩1分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅2番出口より徒歩2分
電話番号03-3475-1631 
関連画像

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1件の投稿

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ねづ

こんな急すぎる閉まり方はさみしいな……。ド派手なクロージング展が見たかった😂