艸居艸居では、シルヴィ・オーヴレ個展「ペーパーカット」を開催いたします。オーヴレの艸居での個展は2021年以来2回目となり、本展では新作の油彩で描いた紙から制作されたマスク、ドローイング、イタリアで制作した石膏と布の作品、信楽にて作陶した陶芸作品等、約70点を展示いたします。
フランス・パリ生まれで現在もパリで制作を行っているオーヴレは、10代の頃から絵を描き始めました。年月を追うごとに、版画からファッション、絵画、彫刻、陶芸など、その表現方法は多岐に広がってゆきます。また旅先の土地で見つけた人々の日常生活において使われている道具や、蚤の市や街を歩く中で目に留まった美しい布やプラスチック、古いおもちゃなどの素材から独自の着想を生み出し、彼女ならではの世界観を作品に投影させてきました。
本展では、紙を用いた最新作と、それらの着想源となった過去の作品をあわせて展示いたします。展示の中心となるのは、オーヴレ自身があらかじめ油彩で描いた紙から制作した、人や動物をかたどったマスクのシリーズです。紙に描かれたモチーフは、ミラノのマルティナ・シメティでの個展と、2024年に艸居で開催された展覧会「シルヴィとうめつ。おばけやしき?」(梅津庸一との合同展)の2つの展覧会を発展させたものです。いずれも、グラフィックやテキスタイルを主題に制作を行いました。
オーヴレは、旅先や蚤の市で出会った布地から着想を得て、紙にドローイングや油彩を施します。元の模様を自由に解釈し、ときにはそのパターンから大きく離れながら独自の表現へと展開させます。こうして描かれた紙の一部は、人物のマスクへと変容し、またオーヴレの制作に繰り返し登場するテーマであるマスクは陶作品にも見られます。日本でも大衆的に親しまれている動物 – ウサギ、ウマ、ブタ、ネズミ– をモチーフにしたマスクも制作しています。マスク作品は、繊細な糸で壁に吊るされ、まるで装身具を思わせます。紙という素材の儚さが作品に特有の感情的な度合いを与え、彩色された表面から人物像が率直に、ほとんど即興的に立ち現れてくるかのようです。
これらの作品は、布の模様に着想を得てイタリアで制作された初期作の石膏作品や、信楽で制作された陶作品とともに展示されます。
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