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タイジ・テラサキ 「⾶翔 Wings Over Crystalline Landscape」

両足院
終了しました

アーティスト

タイジ・テラサキ
⽑⾍が蝶へと姿を変えるように、鉱物もまたクリスタルとして結晶化します。毎年、秋になるとアサギマダラ(学名:Parantica sita)という蝶は、何千キロにも及ぶ越境の旅を⾏うことで知られています。藤袴(フジバカマ/学名:Eupatorium japonicum)の⾹りに導かれ、北海道から⽇本列島を縦断し、国境を越えて南シナへと⾄る旅路 ̶̶ それは、悠久の時をかけて形成された鉱物や結晶が豊富に存在する⼤地をたどる道でもあります。

古来よりアサギマダラは秋の訪れを告げるシンボルでもありましたが、昨今、都市部ではその姿を⾒かけること⾃体が稀になりつつあります。気候変動や過剰採取、そして⽔源や森の減少によって藤袴も稀少する中、アサギマダラの⾶翔パターンも変化しています。彼らの移動は、単なる地図上の線ではなく、時間の中で繰り返される変容の軌跡そのもの、とも⾔えるでしょう。

ハワイを拠点に制作を続けるアーティスト、タイジ・テラサキはこれらの関係性をテーマとした展覧会「⾶翔Wings Over Crystalline Landscapes」を京都・両⾜院にて開催し、約40点の作品を発表します。⼤いなる⼤地に育まれたクリスタルの結晶を⽤いた作品やカラーフィールド・ペインティングはどれも禅寺特有の建築に宿る簡素でありながら本質的な美と呼応します。ほか、写真作品や掛け軸にもクリスタルの結晶が施され、特注の障⼦、陶芸家のロイ・クニサキとともに制作した茶碗なども展⽰されます。どの作品も、有機的なものと無機的なものの深い相互関係が強調され、変態(メタモルフォーシス)や結晶化、禅の瞑想といった要素それぞれが静かに、ゆっくりと変容していく様⼦を重ね合わせます。

「結晶や蝶の成⻑は禅の瞑想と同じように静寂の中で進みます̶̶̶その静けさが、時を経て美を形づくるのです」タイジ・テラサキ

本展では拡張現実(AR)による演出も導⼊し、来場者はアサギマダラの⾶翔の軌跡を展⽰空間内に追体験できるほか、藤袴の⾹りが施された特製の扇⼦を使いながら鑑賞することもできます。扇⼦は京都の⽼舗扇⼦店・⽩⽵堂とFolie à Plusieursのコラボレーションにより制作されました。

会期中は両⾜院の池泉回遊式庭園内にある茶室「臨池亭」にて、茶会や呈茶も⾏われます。茶室にもサイトスペシフィックな作品を設置し、来場者との出会いや意味を形成する唯⼀無⼆とも⾔えるつながりについて瞑想できる静謐な時空間へと誘います。

本展は、アートを通じて⾃然環境の保全・保存・修復を推進する教育団体 MakeVisible により企画されました。⽶国に拠点を置く501(c)(3)に登録されている⾮営利団体MakeVisibleは、Conserve(保全)/Preserve(保存)/Restore(修復)を基軸とし、教育的なミッションを持ってアート展覧会を⽀援しています。

スケジュール

2025年9月5日(金)〜2025年10月1日(水)

開館情報

時間
13:0017:00
休館日
会期中無休
入場料一般 1000、⾼校⽣以下 500円
会場両足院
https://ryosokuin.com/
住所〒605-0811 京都府京都市東山区大和小松町591
アクセス京阪線祇園四条駅1番出口より徒歩7分、阪急線京都河原町駅1B出口より徒歩10分
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