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このたび、ふげん社は、2025年7月3日(金)から7月26日(日)まで、第5回ふげん社写真賞グランプリ受賞記念・中野泰輔個展「Spin around the Night Consumed by the Fire」を開催いたします。本展に合わせ、同名写真集がふげん社より刊行されます。 中野泰輔は、1994年生まれ、東京を拠点に活動する写真家です。映像制作に興味があり入学した武蔵野美術大学映像学科で、連想ゲームのように写真を繋げて物語を構築していく写真編集の面白さに目覚めます。大学を卒業した翌年の2018年に、自身のセクシャリティをカミングアウトすることで生まれた家族との軋轢を主題にした作品で第18回写真1_WALLグランプリを受賞。また、2021年に、コロナ禍において自身が交通事故遭ったことをきっかけに肉体への希求を表現した作品で、第44回写真新世紀優秀賞(ライアンマッギンレー選)を受賞します。そして2025年に開催された第5回ふげん社写真賞では、応募者183名の中から公開審査を通過し、グランプリに選出されました。そこから約半年をかけて構成した写真集がふげん社から出版され、そのお披露目の写真展が開催される運びとなりました。 本作「Spin around the Night Consumed by the Fire」は、2000年にハッテン場の公園で発生した「ゲイ狩り」の殺人事件の犯人が、自身と同姓同名であったことを発端に制作されました。ゲイ当事者である中野は、ストレートの男性がゲイの男性を手にかけたその事件を耳にしたとき、殺された男性の亡霊が今もその公園で男を物色して彷徨い続けているイメージが脳裏に浮かびました。そこから中野は、カメラを携えた霊媒師となって、地縛霊となった男の魂を解放していく「クエスト」を始めることになります。 事件現場を歩きながら、当時の話をリサーチしていくうちに、その出来事を巡る連想ゲームは中野の脳内で無限に広がっていきました。複数の人にインタビューをする中で印象的だった墓の話から展開していき、墓石の不法投棄場の風景を撮影したり、江戸時代の石切場でストレート男性の身体をストロボを焚いて撮影していく中で、現実と想像、生と死、自己と他者、ストレートとゲイなど、あらゆる境界線が曖昧になっていく感覚があったと中野は言います。その結果生まれたイメージ群は、いわゆる「逢魔時」と言われる、昼と夜の間に現れるトワイライトのような、紫色のトーンで包まれています。 人間の欲望が渦巻くある一つの出来事を起点に始まった中野の「旅」は、世界を分かりやすくカテゴライズしようとするものに抗い、不確定な揺らぎある境界線上を歩くことで、豊穣なイメージの連なりを生み出しました。それは肉体という入れ物に欲望や感情が詰まった人間という得体の知れない存在を、写真を通して表現しようと試みるものでもあります。 同時刊行の写真集は、台湾を代表するデザイナーである聶永真(アーロン・ニエ)を迎え、その人々の欲望を巡る旅路が248ページの実験的な書物へと昇華しました。ぜひ写真展と併せてご覧ください。 [関連イベント] 1. ギャラリートーク 日時: 2026年7月4日14:00〜15:30 登壇者: 中野泰輔、飯沢耕太郎(写真評論家)、鷹野隆大(写真家) 料金: 1200円(要事前申込み) 2. ギャラリーガイドツアー 日時: 2026年7月18日14:00〜14:30 ※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。
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