このたび入善町下山芸術の森発電所美術館(以下「発電所美術館」)では、令和8年度企画展として、東京都在住の現代美術家・中島崇の個展を開催いたします。1972年東京都生まれの現代美術家・中島崇は、空間そのものの記憶や物質の持つ時間性に着目し、場所に応答するインスタレーションを中心に制作してきました。建築の構造や光の差し込み方、そこに残る痕跡を丁寧に読み取りながら、素材の配置や音・動きの要素を組み合わせ、鑑賞者の身体感覚を揺さぶる作品を得意としています。これまで国内外の展覧会で、倉庫、廃校、歴史的建造物など、場所の特性を活かした大規模インスタレーションを多数手がけ、その場に潜む「見えない流れ」や「時間の層」を可視化する表現で高い評価を得ています。
この夏、発電所美術館で開催する企画展「水跡 - traces of energy -」では、かつて水力発電所として稼働していた建物全体を舞台に、中島が新たなインスタレーションを現地制作します。水を動力としていた歴史を持つ空間に着目し、館内を貫く“流れ”のイメージを立体的に構築。レンガ壁の質感、天井の高さ、残された機械設備の名残など、建物が抱える時間の層を読み解きながら、水の循環や揺らぎを想起させる構成を展開します。重厚な産業遺産の空間に、光・影・素材が呼応し、ゆっくりと変化し続けるひとつの大きな環境として立ち上がる本展は、発電所美術館の建築と中島の表現が響き合う、ここでしか体験できない展示となります。かつてエネルギーを生み出していた場所に、アートが新たな“流れ”を生み出す瞬間を、ぜひ会場でご体感ください。
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