中田拓法は1982年埼玉県生まれ、2010年「シェル美術賞」、2011年「ワンダーシード」にそれぞれ入選、2014年に多摩美術大学大学院を修了しました。大学院在学中の2013年には、ANOTHER FUNCTION(東京・六本木)に於いて、本江邦夫氏の推薦により初個展を開催、その翌年には当ギャラリーでも初の個展を開催し、東京を拠点に発表を続けて来ました。2021年には、「WATOWA ART AWARD 2021 EXHIBITION」ファイナリストに選出、また、2022年には、「IMA next#34 Photography and Painting」においてグランプリを受賞しました。
このように作品を展開してきた中田ですが、2022年BankART AIRやANB Studio Programへ参加し、現代の写真表現の多様性の中に、制作の可能性を感じ、新たなリアリズムに挑戦しています。多視点から長時間モチーフを撮影し、一枚の平面画像にした作品は、中田が日常生活の中で自らが感じている日本の抑圧的な風潮へのひとつの折衷案を表現しています。また、このようにフォトグラメトリを利用することで、偶然性が加わり、これまで画家が意図的に構成した画面で成り立つ伝統的な絵画との違いを伺うこともできます。写真、絵画、ARで構成された中田の新たな試みを是非ご高覧ください。
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