Lovers (wall) #6, 2025, Epoxy resin, wood, aluminum, mirror-finished stainless steel, urethane coating, 71.5 x 56.0 x 37.0 cm

田村琢郎 「Loose Bolt」

まえばしガレリア Gallery 2
明日から

アーティスト

田村琢郎
このたび MAKI Gallery は、田村琢郎の個展「Loose Bolt」をまえばしガレリア ギャラリー2にて開催いたします。本展では、田村の代表的な「Lovers」シリーズより新たに制作された壁掛け作品を中心に、「TORNCEPT-One Way」および「Rediymade-The Way」のシリーズ作品をあわせてご紹介いたします。

田村は日常風景から制作のインスピレーションを得ることが多く、特にアスファルトや道路標識、カーブミラーなど、交通に関連するモチーフを作品に取り入れてきました。鋭い観察眼と確かな技術力、そして遊び心溢れる感性を活用して、身近なものを元の文脈や役割から切り離し、新たな存在意義を与えます。

本展の中心となる新作の壁掛け「Lovers」は、カーブミラーを恋人同士のように見立てたシリーズです。もともとは道路の安全を支えるために存在するカーブミラーを本来の文脈から切り離し、互いを見つめ合う、あるいはそっぽを向く人間のような佇まいへと変換することで、田村は無機質な公共物の中に潜む感情や関係性をユーモラスにすくい上げます。これまで床に置く立体作品として展開されてきた同シリーズを壁面から飛び出すように設置する方法に移行することで、鑑賞者のまなざしを正面から受け止め、周囲の風景と共により親密にそれを映し込ませます。

あわせて展示される《TORNCEPT-One Way #1》および《TORNCEPT-One Way #wm2》では、本来は確実な方向を示す一方通行の標識が、裂けて捻れることで、不確定な目標を示すオブジェクトへと変化します。単純だったものが細分化され、複雑に枝分かれしていく様を形にした本シリーズは、「裂ける(torn)」と「概念(concept)」を合わせた「TORNCEPT」という言葉によって表されています。そこには、あらゆる概念が時間とともに多様で複雑になり、曖昧になっていく現代を生きる感覚そのものを、肯定的に捉えようとする作家の姿勢が反映されています。

また、《Rediymade-The way HP7W+JFQ》は、作家が歩いている時に面白いと感じた実際の道路を、傷や寸法、素材などを極力そのまま再現した平面作品です。私たちが日常で目にしながらも意識していない風景を、改めて意識の表層へと引き上げることで、その美しさと面白さを再発見します。既製品(レディメイド)である道路の断片を、再び(Re-)同じ素材で手作業(DIY)により再現するという構造から、田村は本シリーズを「Rediymade」と名付けました。

それぞれ異なるきっかけから生まれた作品でありながら、本展に並ぶ作品群はいずれも、「道」にまつわる公共物を起点に、私たちが日常で無意識に通り過ぎている風景を異なる角度から捉え直すものです。身近なものに潜む小さな違和感や発見を、不条理なスケールやかたちへと拡張しながら、現代社会に対する批評的なまなざしと、日常の中にあるささやかなロマンを同時に提示する田村の作品世界を、この機会にぜひご高覧ください。

スケジュール

2026年6月27日(土)〜2026年8月2日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
水曜日、木曜日
7月11日・12日は休廊
入場料無料
会場まえばしガレリア Gallery 2
https://www.towndevelop.jp/
住所〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5-9-1 まえばしガレリア 1F
アクセス上毛電鉄中央前橋駅より徒歩5分、JR両毛線前橋駅北口より徒歩15分
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