苅部太郎「Electric Caveman」

HECTARE

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アーティスト

苅部太郎

HECTAREではアーティスト/写真家・苅部太郎によるソロエキシビション「Electric Caveman」を開催します。苅部氏はAIを搭載したソフトを用いて、風景写真の自動認識システムを騙し、何億枚と学習したAIを混乱させる事で奇妙な遠近感や色彩を持つイメージを生成させます。歪みや崩れかかったような不安定なイメージと、沁み入るように沈着した色彩が美しくも魅惑的に混在しています。写真は発明された時「記憶を持った鏡」と称されました。文明や技術の進化に伴い、現代では我々人間の記憶や記録は物質ではなく、データとして保存することが当たり前になってきています。つまり外部記憶装置として、デジタル機器は人間の脳の一部になっていると考えられます。AIのシステムもまた、人々の生活の中に侵食してきており、必要不可欠な存在になりつつあります。現代の最前衛であるAIを駆使して表現する苅部氏の写真は、「人間とデジタルの境目を映した鏡」なのではないでしょうか。そして“何か得体の知れないもの”に侵食されているようなその光景には、畏怖の念を抱かざるを得ません。また、このAIを搭載したソフトは常にアップデートされ、精度が上がり続けています。それによって「徐々にAIのエゴやバイアスが強くなってきている」と苅部氏は言います。ラディカルに発展しているデジタルテクノロジーの中で、その時代の最新の技術を用い、認知心理学や古代哲学を組み込む苅部氏の作品群は、我々に未だかつてない新たな視点を与えてくれます。

また、苅部太郎の4冊目となる作品集『あの海に見える岩に、弓を射よ』は、Troublemakers Publishingにより2023年9月22日にHECTAREでの個展とあわせてローンチされる。

スケジュール

2023年9月22日(金)〜2023年10月14日(土)