刈谷市美術館三浦太郎(1968年生まれ)は、2004年にヨーロッパで絵本作家としてデビューし、日本国内でも『くっついた』(こぐま社、2005年)や『ちいさなおうさま』(偕成社、2010年)など、意欲的な絵本を次々に発表してきました。優れたデザイン感覚やアイディアあふれる展開で読者を魅了する絵本は、たくさんの国で翻訳出版されています。
愛知県西尾にある、明治時代から続く書店が生家である三浦は、本に囲まれて育ち、「ずっと絵が好きだった」ことで、1987年大阪芸術大学美術学科に入学、シルクスクリーン版画を学びました。大学卒業後はフリーランスのイラストレーターとして活躍しますが、多忙を極めた日々を過ごす中で本当に自分が描きたいものを描けているのだろうか、という問いが頭をもたげるようになります。そのような時に板橋区立美術館の「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」を観覧し、イラストレーターたちの多彩な作品を目にしました。この展覧会は、イタリアのボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアが主催するコンクールの入選作を紹介するもので、毎年春のブックフェア後に日本にも巡回されている展示です。絵本の世界の多様性を知った三浦は自らも応募しようと思い立ち、絵本づくりを始めます。2001年に初入選し、2003年の2度目の入選で再訪した際に、スイスの出版社から入選作の出版が決まり、絵本を本格的に制作するようになります。現在まで54冊を手がけ、20年以上のキャリアを重ねています。
また、2014年からはステンシルを使って描くタブロー(絵画作品)のシリーズを発表し始め、絵画制作にも精力的に取り組むようになります。さらに近年は心惹かれた哀愁漂う風景を描くようになり、絵本『みち』(あすなろ書房、2022年)を手がけるなど、ますます創作の幅を拡げています。
本展は、2022年に板橋区立美術館で開催された初の大規模な個展以降に制作された作品を加え、三浦太郎の絵本とタブローの仕事を存分に紹介するものです。新作絵本『ゆき』(偕成社、2025年)の世界観と連動した初公開となる新作や、茶室「佐喜知庵」のために手描きした襖絵や軸作品も今展の大きな見どころです。ここからまた新しい三浦太郎の創作世界が展開される、その現場を体感できる展覧会です。
会場: 1階 第1展示室、特別展示室、ロビー
[関連イベント]
1. トークショー「三浦太郎の絵本を語る」
講師: 三浦太郎さん、渡邉千夏さん(絵本作家)
司会進行: 野田英里さん(絵本専門士、アナウンサー)
日時: 1月31日(土)14:00~15:30
会場: 3階 大会議室(美術館隣)
定員: 180名(要申込)※先着受付、定員に達し次第終了
参加費: 無料
2. ワークショップ「三浦太郎さんと一緒につくろう!」
参加費: 200円 ※要展覧会チケット(半券不可)
①「紙を切ったらなんになる?」
日時: 3月20日(金)10:00~11:30
②「紙の街をつくろう!」
日時: 3月20日(金)13:30~15:30
③「家族の"くっついた"をつくろう!」
日時: 3月21日(土)10:00~10:30、10:30~11:00、11:00~11:30、11:30~12:00
3. 学芸員によるギャラリー・トーク
日時: 2月4日・18日、3月4日・18日 14:00~15:00
参加費: 無料 ※要展覧会チケット(半券不可)
※申込不要
4. 展覧会オリジナル和菓子とお抹茶
時間: 13:00~15:30
呈茶のお休み: 美術館休館日、2月7日・8日、3月7日・8日
料金: 一服300円(和菓子付き)
場所: 茶室「佐喜知庵」(美術館に隣接)
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。
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