「文学を缶づめにする? The Archiving of archives」

​日本近代文学館
3月28日終了
日本の近代文学の成り立ちを19世紀後半と考えれば、すでに150年以上が経過しました。記憶がおぼろになるどころか、まったく知らない歴史がそこにあると言ってもいいでしょう。文学はことばと文字から出来上がっています。同時に、そのことばと文字を通して、その時代を生きる人間と取り巻く社会とを描き出してきました。近代はそれを印刷し、大量に複製することで発展し、それ以前より増して人々の心や脳のなかに深く浸透し、影響を与えてきました。

しかし、印刷複製が増えることと、その保存とはイコールではありません。大量の印刷は同時に大量廃棄とも結びつきました。燃えやすい紙は災害の多い日本において、つねに焼失の危険にさらされました。関東大震災では多くの図書館が炎上し、第二次世界大戦の戦禍によって家も人も、そして書物や資料もいっぺんに失われたのです。世代交替を重ねれば残された家財が処分され、散逸することもしばしばです。高度経済成長の時代をへて大量印刷が拍車をかける一方で、廃棄もまた無限級数的にふくれあがったのです。

日本近代文学館の誕生は1960年代です。開館が67年。消えゆく資料を残す、それは文学を通して、近代日本の人と文化と歴史の記憶をアーカイブすることを意味しました。次代に受け渡すタイムカプセルの役割を果たすとともに、歴史をふりかえり新しい文学を生み出す場所を提供する。日本近代文学館の使命はそこにあったのです。

では、これまで日本近代文学館は何をやってきたか。資料の収集や保存はもちろんですが、どのようにその価値を見出す人々に向き合ってきたか。いま日本中に数多くの文学館、文学者の記念館が存在しています。その先頭を切ってきた日本近代文学館は、現在進行形のアーカイブ拠点と言えます。その舞台裏をお見せし、資料の保存と公開方法をご紹介するとともに、文学の歴史に向き合うことの知的な面白さ、愉しさをぜひ味わっていただきたいと思います。次のアーキビストはあなたかもしれません。

スケジュール

開催中

2025年11月29日(土)〜2026年3月28日(土)あと103日

開館情報

時間
9:3016:30
休館日
日曜日、月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
第4木曜日、年末年始
入場料一般 300円、高校生・中学生 100円
展覧会URLhttps://www.bungakukan.or.jp/cat-exhibition/16107/
会場​日本近代文学館
https://www.bungakukan.or.jp/
住所​〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-55
アクセス京王井の頭線駒場東大前駅西口より徒歩7分
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