「月の光に照らされた身体II:ある親密な関係」

Moon Gallery & Studio
本日開始

アーティスト

鈴木ひよっとこ、飯沼知寿子、朴愛里、静電場朔、月兎、馬銘涵×張霏、Nhozagri feat. Mollusk Citizens、劉炳南、Hanna Shapiro、雷鷺、王婧宜、董昕桐、李語辰、蔡咏麟、呂翹聲、金元宝、顧聞新、儲靚雯
月の光は、決して孤独に存在しているわけではない。それは常に「関係」のなかで感知され、投影され、ゆっくりと浮かび上がってくる。

シモーヌ・ド・ボーヴォワールによる女性身体と他者性の議論、イヴ・コソフスキー・セジウィックによる欲望と感情構造の研究、そしてフランスの哲学者ジャン=リュック・ナンシーが提唱した「共存在(Being-with)」の概念に至るまで、「存在」は決して孤立した個ではなく、他者・社会・空間・世界との関係性のなかで生成され続けるものとして考えられてきた。親密さとは、恋愛や家族関係だけを指すものではない。それは、人と自然、人と都市、作品と鑑賞者、身体と空間のあいだにも立ち現れる。私たちは孤立して生きているのではなく、接近し、衝突し、依存し、ときに離れながら、他者との関係のネットワークのなかで自己を形成している。

「月の光に照らされた身体」の第二期となる本展では、「関係のなかの身体」に焦点を当てる。高度な効率とスピードによって動き続ける東京という都市において、親密な関係はますます複雑化している。SNSやアルゴリズム、加速する生活リズムは、人と人との繋がり方そのものを変化させた。人は理解されることを求めながらも、同時に、他者へ本当に近づくことの難しさを抱えている。

本展では、親密さに内在する繊細な緊張関係——優しさとコントロール、依存と逃避、眼差しと抵抗、愛と傷つけ合い——に注目する。親密さは、単なる安心やロマンティックな感情ではなく、境界の揺らぎや感情の浸透、快楽と痛みが交差する複雑な経験でもある。身体は関係のなかで形づくられ、抑圧され、そして再び自らを表現しようとする。

本展には、中国、日本、韓国、ウクライナなどから18名のアーティストが参加し、絵画、版画、映像、パフォーマンス、写真、音声、詩など多様なメディアを通して、それぞれの文化的背景や個人的経験に根ざした作品を発表する。作品は単に「鑑賞される対象」ではなく、観客・空間・作品のあいだに新たな感覚と感情の関係性を生み出す場となる。

月の光が照らすのは、身体だけではない。そこには、人と人とのあいだに存在する、曖昧で、脆く、決して完全には近づくことのできない距離もまた浮かび上がる。
本当の親密さとは、互いを所有することではなく、近づきながらも、なお互いの流動性と自由を許し合うことなのかもしれない。

スケジュール

開催中

2026年5月13日(水)〜2026年5月17日(日)あと4日

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日、火曜日
入場料無料
会場Moon Gallery & Studio
https://www.moon-gallery-studio.com/
住所〒110-0014 東京都台東区北上野2-3-13 上野ダイカンプラザ 1F
アクセス東京メトロ銀座線稲荷町駅より徒歩8分、東京メトロ日比谷線入谷駅1番出口より徒歩8分、JR上野駅入谷口より徒歩9分
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