終了した展覧会・イベントです
[画像: 浜口陽三《赤い鉢と黒いさくらんぼ》1968年]

「『版画』がつたえるもの」

武蔵野市立吉祥寺美術館
終了しました

アーティスト

浜口陽三、南桂子、織田一磨、清水昭八、一原有徳、小畠廣志、大坪美穂
「版」の歴史は古く、はるか原始の時代にまで遡ることができるといいます。写す、あるいは同じものを複数つくる、という実用的な目的から発展をとげてきた「版画」ですが、近代にはいると、写真術や印刷機の発明などもあり、次第に芸術表現のための手法としての側面がつよくなっていきました。現代では、伝統的な技術は受け継がれつつも、つくり手個々によってさまざま工夫がこらされ、多種多様な「版画」が展開されています。

浜口陽三は「版画のマチエールが自分には合うような気がして、合うというより好き」(*)といっています。東京美術学校彫刻科を経て、はじめ油彩画を中心に制作していた浜口は、次第に油彩の大画面に興味を失い、20代後半ころからは銅版画に専心するようになります。彼は独学によって銅版画の技術を習得しましたが、さまざまな実験の過程で、メゾチントを、自らの表現にもっとも適う手法と認識します。つまり、彼が作品のなかで大切にしている「光」、そして「もっと大切」だと考える「闇」は、彫刻でも油彩でもなく銅版画、わけてもメゾチントという手法をもってのみ、あらわすことができるものでした。

「版画」の表現は、画面を仕上げるまでに複雑な工程を要するものが多く、直接的な描画などより時間もかかるため、まどろこしいと感ずる場合もあるかもしれません。しかし、主題によっては、その手間をこそ必要とするのです。

今回は、浜口陽三のほか、南桂子、織田一磨、清水昭八、一原有徳、小畠廣志、大坪美穂、それぞれの「版画」をご紹介します。作家たちそれぞれが自らの主題をあらわすために選んだ技法と、「版画」の画面が出来あがるまでの過程にこめられているものとを、味わってみてください。

引用* 『浜口陽三著述集 パリと私』(2002年、玲風書房)より

スケジュール

2024年3月7日(木)〜2024年5月26日(日)

開館情報

時間
10:0019:30
休館日
3月27日~4月12日、4月24日は休館
入場料[常設展] 一般 100円 [企画展] 一般 300円、高校生・中学生 100円 [共通] 小学生以下・65歳以上・障害者手帳提示 無料
展覧会URLhttps://www.musashino.or.jp/museum/1002006/1003366/1006134.html
会場武蔵野市立吉祥寺美術館
https://www.musashino.or.jp/museum/
住所〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩3分
電話番号0422-22-0385
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

0件の投稿

すべて表示

まだコメントはありません