Gallery A4昨今、日本でもサウナブームと言われるほどサウナの愛好者が増えていますが、フィンランドでは各家庭にはもちろんのこと、人が集まるところには必ずと言って良いほどサウナ施設が存在し、コミュニケーションや社交の場にもなっています。
フィンランドの厳しい自然環境の中で培われたこの文化は、赤ちゃんの誕生から死者を弔う場、また食物保管から心身の健康を維持する場としても、春から冬まで一年を通じて、祝祭と日常生活の両方に深く根ざし、生活の中心として、そしてアイデンティティの一部として息づいています。
フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトもまた、設計を始めた初期に、古代ローマの公衆浴場のような文化施設を構想し、自国が誇るサウナを中心とした文化施設をユヴァスキュラに計画し提案しています。残念ながら実現はしませんでしたが、その後もアアルトは、公共サウナから個人邸のサウナまで名作をいくつも設計しています。フィンランドの環境特性を重んじ、自然との共生を大切にしたアアルトにとって、サウナもまた、神聖なる場、設計理念の中心となる場であることが分かります。
本展では、ムーラッツァロの実験住宅(コエタロ)のサウナ小屋のほか、彼の代表的な住宅のサウナや公共サウナを実寸模型や設計原図、写真等で紹介するとともに、サウナの歴史、機能、サウナから派生する暮らし文化の広がりに着目し、生活文化に欠かせないフィンランドの精神が宿るサウナとは何かを考えます。
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